すでにブログで書きましたように,18日(日)から太極拳の李老師を団長にして,兄妹弟子3名,計4名で,昆明,大理,麗江方面の旅にでます。昆明は,李老師の生まれ故郷です。冬暖かく夏涼しい,年間の気温の変化がきわめて少なく,しかも,風光明媚な素晴らしい都市です,と李老師は自慢されます。ぜひ,そこに行ってみたい,というわたしたち(弟子たち)の希望がようやく叶うという次第です。いまからワクワクしています。
昨日(14日)の稽古のあと,出発前の最終的な打ち合わせをしました。
そこで話題になったことを2,3紹介させていただきます。
昆明には,立派な各種のスポーツ施設がととのっていて,世界中のトップ・アスリートたちがトレーニングのために集まってくる,いまやスポーツ関係者にとっては話題のスポットであることは,すでによく知られているとおりです。北京オリンピックの前には,多くの国のトップ・アスリートたちが合宿を組んで,話題になったことを記憶している方も少なくないと思います。日本の選手たちも同様でした。おそらく,これからロンドン・オリンピックに向けて昆明は世界のトップ・アスリートたちがトレーニングのために集まってきてにぎわうことでしょう。気候が安定していること,しかも,高地であること,食事が美味しいこと,人間が親切であること,などトレーニングのための好条件が揃っています。
というわけで,当然,そういう施設を見学すると思われる方が多いかと思いますが,わたしたちはそういうところには近づきません。そこには背を向けるようにして,目指すは中国少数民族の間に伝承されている伝統芸能です。ここでいう伝統芸能は広い意味で考えています。つまり,民族に固有の歌や踊りをはじめ,民族に固有の身体文化(つまり,遊び,娯楽,スポーツ,演劇,民族衣装,健康法,民間療法,気功,など)に関する見聞を広めてこようという次第です。でも,そんなに長期間,滞在できるわけではありませんので,ほんの少しだけ垣間見る程度のことにすぎませんが・・・。それにしても,まったく新たな知見に触れられるという期待で胸がいっぱいになります。
つい最近になって,ようやく,旅行のための本を買い集めたりして,少しずつ読みはじめているのですが,中国について基本的なことをほとんど知らないということを知っていささかあわてています。たとえば,中国少数民族の人口がどのくらいか,ということはまったく知りませんでした。中国は55の少数民族と漢民族,計56の民族がひとつになって国家を形成しているというあたりまでは承知していました。そして,中国の人口が,ひとくちに言って13億人,というのも頭に入っていました。が,中国少数民族の人口は知りませんでした。が,これがブログの表題にも書きましたように「1億3000万人」というのですから驚きました。つまり,中国の全人口の1割が少数民族だ,というわけです。たしかに,「1割」といえば「少数」には違いありません。しかし,母数の桁が違います。ですから,実数はけたたましい数になるというわけです。
1億3000万人。この数は,なんと日本の総人口よりも多いではありませんか。少数民族どころか,世界のレベルで比較してみればもっとわかりますように,とてつもない人口です。こんなことを考えるだけで,中国という国がどういう国であるのか,ということがそれとなくイメージできるようになってきます。しかも,もっとも基本的で,重要なイメージです。この視点を抜きにして中国を語ることは間違いだと言っても過言ではないでしょう。
いまごろになって,こんな感想をもつわたしなどはずいぶんと薄のろ間抜けの部類だと深く反省しています。といいますのは,おなじみのNさんは,もう,はるかむかしから「中国,恐るべし」と断じてはばかりませんでした。その根拠のひとつが「眠れる大国」,すなわち,この人口の多さでした。この人たちが,ひとたび「目覚めて」,ある目的意識をもって立ち上がったら,世界のどの国よりも大きな影響力をもつようになる,と。薄のろのわたしは,「ああ,そんなものなのかなぁ」と,ぼけた頭で考えていました。
しかし,実際に雲南省をめざして旅にでるという段になって,はじめて(ようやく)中国という国がわたしの視野の真っ正面に立ち現れました。そうして,まず,真っ先に驚いたのは,中国少数民族の総人口の桁違いの多さでした。
こんな話をしていたら,Nさんが,面白い話があるといって,つぎのような話をしてくれました。
中国が国連の常任理事国となって,はじめて国連総会に出席した代表者のひとりが,夜のパーティの席で,イスラエルの代表と会話をはじめたそうです。中国の代表者は,イスラエルと聞いてもあまりピンとこなかったらしく,「あなたの国の人口はどれだけですか」と聞いた。「約800万人です」とイスラエルの代表者。しばらく考えた中国の代表者は「わたしの国のひとつの省の人口調査をすると,かならず誤差がでます。800万人は,その誤差よりも少ないですね」と答えたというのです。これを聞いたイスラエルの代表者は唖然としてしまった,といいます。
調べてみますと,中国は4つの直轄市,23省,5自治区から成り立っています。4つの直轄市と5つの自治区を除いた23の省の人口がどれだけになるのか精確にはわかりませんが,おおざっぱに計算してみて,おそらく10億人前後だろうと思われます。この10億人を23省で割ると,一つの省の人口は約4千300万人ほど。この人口調査をすると「800万人」以上もの「誤差」がでる,というところがまたいかにも中国らしい,と深く考えてしまいます。つまり,精確な人口調査ができないほどの広さと移動があるということなのでしょう。そして,多少の数字の違い(誤差)は気にしない,人びとの思考様式にもよるのでしょう。むかしから,中国の人口の精確な数はわかっていない,と聞いていました。それは,こんにちに至っても基本的には変わっていないようです。第一,戸籍のない人がかなりの数になるとも聞いています。それでも立派に国家として機能しているというこの事実にしっかりと眼を向けるべきでしょう。
日本では考えられない中国の面積の大きさと人口の多さと人びとのファジーな思考様式をしっかりと頭に入れておかないと,今回の旅は収穫が少なくなるどころか,とんでもない「誤解」をしてしまいかねません。もう,残り時間はわずかしかありませんが,できるだけ,基本的な予備知識だけはきちんと頭に入れておきたいものと肝に銘じているところです。こんなところが,また,典型的な日本人だなぁ,と思ったりして・・・・。
結論。中国少数民族は「けっして少数ではない」ということ。1億3000万人を越える人口をもつ国家がどれほあるのか確認してみるべし。ヨーロッパのどの国もそれより少ないのですから。つまり,世界的にみたら,みんな「小国」ばかり。やはり,「中国,恐るべし」。徹底した中央集権的な統治形態を維持することの背景には,この「人口」の問題がある,とこころから納得。
さて,少数民族の住む地域に立ち,空気を吸い,景色を眺め,食べ物を食べ,水を飲み,人びとと触れ合いながら,そこの伝統芸能に触れるとき,わたしの「からだ」にはどのようなことが起こるのでしょうか。それが,いまから,とても楽しみ。
昨日(14日)の稽古のあと,出発前の最終的な打ち合わせをしました。
そこで話題になったことを2,3紹介させていただきます。
昆明には,立派な各種のスポーツ施設がととのっていて,世界中のトップ・アスリートたちがトレーニングのために集まってくる,いまやスポーツ関係者にとっては話題のスポットであることは,すでによく知られているとおりです。北京オリンピックの前には,多くの国のトップ・アスリートたちが合宿を組んで,話題になったことを記憶している方も少なくないと思います。日本の選手たちも同様でした。おそらく,これからロンドン・オリンピックに向けて昆明は世界のトップ・アスリートたちがトレーニングのために集まってきてにぎわうことでしょう。気候が安定していること,しかも,高地であること,食事が美味しいこと,人間が親切であること,などトレーニングのための好条件が揃っています。
というわけで,当然,そういう施設を見学すると思われる方が多いかと思いますが,わたしたちはそういうところには近づきません。そこには背を向けるようにして,目指すは中国少数民族の間に伝承されている伝統芸能です。ここでいう伝統芸能は広い意味で考えています。つまり,民族に固有の歌や踊りをはじめ,民族に固有の身体文化(つまり,遊び,娯楽,スポーツ,演劇,民族衣装,健康法,民間療法,気功,など)に関する見聞を広めてこようという次第です。でも,そんなに長期間,滞在できるわけではありませんので,ほんの少しだけ垣間見る程度のことにすぎませんが・・・。それにしても,まったく新たな知見に触れられるという期待で胸がいっぱいになります。
つい最近になって,ようやく,旅行のための本を買い集めたりして,少しずつ読みはじめているのですが,中国について基本的なことをほとんど知らないということを知っていささかあわてています。たとえば,中国少数民族の人口がどのくらいか,ということはまったく知りませんでした。中国は55の少数民族と漢民族,計56の民族がひとつになって国家を形成しているというあたりまでは承知していました。そして,中国の人口が,ひとくちに言って13億人,というのも頭に入っていました。が,中国少数民族の人口は知りませんでした。が,これがブログの表題にも書きましたように「1億3000万人」というのですから驚きました。つまり,中国の全人口の1割が少数民族だ,というわけです。たしかに,「1割」といえば「少数」には違いありません。しかし,母数の桁が違います。ですから,実数はけたたましい数になるというわけです。
1億3000万人。この数は,なんと日本の総人口よりも多いではありませんか。少数民族どころか,世界のレベルで比較してみればもっとわかりますように,とてつもない人口です。こんなことを考えるだけで,中国という国がどういう国であるのか,ということがそれとなくイメージできるようになってきます。しかも,もっとも基本的で,重要なイメージです。この視点を抜きにして中国を語ることは間違いだと言っても過言ではないでしょう。
いまごろになって,こんな感想をもつわたしなどはずいぶんと薄のろ間抜けの部類だと深く反省しています。といいますのは,おなじみのNさんは,もう,はるかむかしから「中国,恐るべし」と断じてはばかりませんでした。その根拠のひとつが「眠れる大国」,すなわち,この人口の多さでした。この人たちが,ひとたび「目覚めて」,ある目的意識をもって立ち上がったら,世界のどの国よりも大きな影響力をもつようになる,と。薄のろのわたしは,「ああ,そんなものなのかなぁ」と,ぼけた頭で考えていました。
しかし,実際に雲南省をめざして旅にでるという段になって,はじめて(ようやく)中国という国がわたしの視野の真っ正面に立ち現れました。そうして,まず,真っ先に驚いたのは,中国少数民族の総人口の桁違いの多さでした。
こんな話をしていたら,Nさんが,面白い話があるといって,つぎのような話をしてくれました。
中国が国連の常任理事国となって,はじめて国連総会に出席した代表者のひとりが,夜のパーティの席で,イスラエルの代表と会話をはじめたそうです。中国の代表者は,イスラエルと聞いてもあまりピンとこなかったらしく,「あなたの国の人口はどれだけですか」と聞いた。「約800万人です」とイスラエルの代表者。しばらく考えた中国の代表者は「わたしの国のひとつの省の人口調査をすると,かならず誤差がでます。800万人は,その誤差よりも少ないですね」と答えたというのです。これを聞いたイスラエルの代表者は唖然としてしまった,といいます。
調べてみますと,中国は4つの直轄市,23省,5自治区から成り立っています。4つの直轄市と5つの自治区を除いた23の省の人口がどれだけになるのか精確にはわかりませんが,おおざっぱに計算してみて,おそらく10億人前後だろうと思われます。この10億人を23省で割ると,一つの省の人口は約4千300万人ほど。この人口調査をすると「800万人」以上もの「誤差」がでる,というところがまたいかにも中国らしい,と深く考えてしまいます。つまり,精確な人口調査ができないほどの広さと移動があるということなのでしょう。そして,多少の数字の違い(誤差)は気にしない,人びとの思考様式にもよるのでしょう。むかしから,中国の人口の精確な数はわかっていない,と聞いていました。それは,こんにちに至っても基本的には変わっていないようです。第一,戸籍のない人がかなりの数になるとも聞いています。それでも立派に国家として機能しているというこの事実にしっかりと眼を向けるべきでしょう。
日本では考えられない中国の面積の大きさと人口の多さと人びとのファジーな思考様式をしっかりと頭に入れておかないと,今回の旅は収穫が少なくなるどころか,とんでもない「誤解」をしてしまいかねません。もう,残り時間はわずかしかありませんが,できるだけ,基本的な予備知識だけはきちんと頭に入れておきたいものと肝に銘じているところです。こんなところが,また,典型的な日本人だなぁ,と思ったりして・・・・。
結論。中国少数民族は「けっして少数ではない」ということ。1億3000万人を越える人口をもつ国家がどれほあるのか確認してみるべし。ヨーロッパのどの国もそれより少ないのですから。つまり,世界的にみたら,みんな「小国」ばかり。やはり,「中国,恐るべし」。徹底した中央集権的な統治形態を維持することの背景には,この「人口」の問題がある,とこころから納得。
さて,少数民族の住む地域に立ち,空気を吸い,景色を眺め,食べ物を食べ,水を飲み,人びとと触れ合いながら,そこの伝統芸能に触れるとき,わたしの「からだ」にはどのようなことが起こるのでしょうか。それが,いまから,とても楽しみ。
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