2014年4月7日月曜日

葛西臨海公園に五輪用カヌー施設だって。たった数日の競技のために。

 
葛西臨海公園の写真が今日(6日)の東京新聞紙上で紹介されました。月1回,東京都の各地の注目の場所を新聞社のヘリから撮影し,その地の話題を紹介するシリーズ企画です。今回は,「東京湾に面して緑の広がる葛西臨海公園」(本社ヘリ「おおづる」から川上智世撮影)でした。写真の中央上部にうっすらと「東京スカイツリー」が写っています。右奥から左河口に流れている川は荒川。中央の緑地帯が葛西臨海公園。その手前にみえるのが「葛西海浜公園・東なぎさ」,その左奥にみえるのが「西なぎさ」。

 この「野鳥の楽園」が正念場を迎えている,というのです。なぜなら,この葛西臨海公園の一角に,2020年東京五輪用のカヌー会場が予定されているからです。しかも,人工的に「激流」を流すことのできる五輪公認の施設を,ここに建造しようというのです。しかも,たった数日の競技会を開催するために。

 東京都には青梅市に立派な自然のままの野趣に富んだカヌー競技場があります(このブログでも紹介済み)。しかも,近年では国際的な競技会も開催されています。そこにわずかな資本を投ずるだけで素晴らしいカヌー競技場が出来上がります。しかも,半永久的に多くのカヌー・ファンが楽しむことができ,地元青梅市の活性化にもつながります。わたしは,ここ青梅市で,五輪のカヌー競技を開催すれば一挙三徳になる,と考えています。

 新聞の記事は短いので転載しておきます。
 荒川と旧江戸川に挟まれた深い緑の森が,東京湾に突き出るように広がる。先月下旬には春を告げるツバメが飛来した。
 東京ドーム17個分の広さがある23区最大級の公園は1989年にオープンした。都が埋め立てた土地が家族連れらの憩うウォーターフロントとして整備された。マグロが回遊する水族園,高さ117メートルの日本最大の観覧車で知られているが,カワウやカワセミ,カルガモ,春はシギの仲間も観察できる「野鳥の楽園」としての顔もある。
 整備時,ハゼや水鳥が暮らす環境を守ろうと,埋め立て域を縮小し干潟を残した経緯がある。これまでに200種以上の野鳥が確認され,対岸の東なぎさには,世界に3000羽しか生息しないというクロツラヘラサギも立ち寄るまでになった。
 「人の手で造り上げたせっかくの自然。将来も野鳥のすめる環境を残したい」。週末に野鳥解説をするNPO法人生態教育センターの大原庄史(まさし)さん(31)は話す。公園は2020年東京五輪のカヌー会場の予定地となり,影響が心配されている。自然は守れるのか。再びの正念場だ。(奥野斐)

 ここに五輪用のカヌー施設を建造するというのです。しかも,なにもないところに水をくみ上げ,そこから落として激流を生みだそうというのです。途中には人工的に岩をセットしたり,カーブをつけたり,とさまざまなデザインがこらされるはずです。距離も相当の長さが必要でしょう。しかも,五輪会場となれば相当の広さの駐車場も確保しなくてはならないでしょう。となると,この葛西臨海公園の大半がカヌー競技場のために「改造」されてしまうことになります。それは,もはや,大いなる環境破壊としかいいようのない暴挙です。

 それもこれも東京五輪のためなら,と当局に無視されています。この暴挙によって,25年もかけて「野鳥の楽園」をつくりあげてきた,その努力も水の泡となって消えてしまいます。東京都の貴重な財産を,たった数日のカヌー競技会のために,ご破算にしてしまって平気な人たちが,2020年東京五輪を開催し,運営しようとしているのです。これはもう狂気の沙汰としかいいようがありません。

 その狂気の最たるものが「新国立競技場」の建造をめぐる一連の不祥事です。それについても,なんの弁明もありません。もっと言ってしまえば,その責任の所在すらあいまいにされたままです。ですから,だれも責任をとろうともしません。フクシマで起きていることとまったく同じことが,東京五輪でも行われようとしています。「under control」も同罪です。しかも,これらを断罪する意見は「空虚な議論」(安倍首相の発言)として排除しておしまいです。

 いよいよ,この国は「カタストロフィ」に向かってまっしぐら,と言わざるをえません。いつになったら,多くの国民が身に危険を感ずるようになるのでしょう。それまでは「盲目的に」突き進んでいくしかないのでしょうか。困ったものです。
 
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