2014年4月4日金曜日

原発戯画「氷山の一角」(本田亮)に拍手。

 今日(4日)の東京新聞に新企画「原発戯画」(本田亮)が掲載されています。これから毎月第一,第三金曜日に掲載されるということです。いまからとても楽しみです。

 なぜなら,政府自民党はなし崩し的に原発再稼働に向かってまっしぐら。もはや,歯止めのきかなくなった暴走車のようです。となれば,国民がもっともっと目覚めて,声をあげるしかありません。そのもっとも分かりやすい覚醒のさせ方,それが「戯画」という方法です。戯れと見せかけてほんとうのことをずばりと言ってのける,そのもっとも秀でた方法です。しかも,わかりやすい。文章にくらべたら,はるかに簡単です。

 今日,第一回目の戯画のタイトルは「氷山の一角」。戯画はこのブログの最後のところに乗せていますので,ご確認ください。作者は本田亮さん。この戯画の下にはキャプションに相当する文章が載っています。山川剛史という名前入りの記名記事だとすれば記者の方でしょうか。この文章がまた簡潔に問題の所在を明らかにしてくれています。

 まずは,戯画の方に注目してみましょう。
 自然エネルギーと原発を「氷山」に見立てて,「あのねおっさん」(ひとむかし流行したおっさんの名前)のようなとぼけた顔のおっさんがボートの上に立ち,「発電コスト高いヨ!」と自然エネルギーの氷山の頂上を指さしています。こちらは氷山に見立ててはいますが,これは氷山ではありません。こんなに高く水面にそびえるには水面下の氷がもっともっと大きくなければなりません。が,そうは描かれていません。それは,まさに,政府自民党が「自然エネルギー」の方がコストは高いヨ,と言っていることの,とんちんかんな間違いをそのまま表現しているからでしょう。それに引き換え,原発の方は正しい氷山の絵になっています。

 原発の氷山の水面下には「地元への寄付金」「核燃料税」「核のごみ処分費」「損害賠償」「除染費用」「事故収束費」などが隠されていることを描いています。ほんとうは,もっともっといくつもの費用がかかっているのですが,あまりに多すぎてとてもこの氷山の上に書き込むことはできません。それらは省略されています。

 それを補うようにして,山川剛史さんのキャプションが生きています。原発のコストは安くて,自然エネルギーのコストは高い,というのは完全なる「神話」であって,実際はこうだという裏付けの証拠をあげています。たとえば,文末に書かれていることばを引いてみましょう。

 「福島事故の現時点の被害額は,事故収束(廃炉)の費用が一兆五千億円,賠償費用が三兆五千億円,除染費用が三兆五千億円の計八兆五千億円。まだ増えるのは確実。こうした真のコストは水面下に隠れている。」

 この単純明快さがいい。問題の核心がわかりやすく提示されるのがいい。

 原発再稼働の動きに対しては,再稼働対象原発をもつ地方自治体ではなく,そこに隣接する地方自治体(交付金対象にはならない自治体)が市長の名前で訴訟を起こす動きが活発化しています。これは当然のことで,反原発運動は東京の市民運動だけではなく,各地の再稼働対象原発の周辺自治体を中心とした運動に拡大・拡散されていくことは必定でしょう。この動きがこんごのゆくえを左右するとわたしは考えています。

 「カネと命」のどちらが大事なのか,子どもにもわかる理屈をひた隠しにして,原発がなければ生きてはいかれないかのような詭弁を弄して,経済最優先を掲げて国民を欺こうとする政府自民党,経済通産省,原子力ムラの魂胆がどれほど悪意に満ちたものであるか,そして,それらに「自発的に隷従」するメディア,アカデミックな学界も同罪です。そういう厚顔無恥な輩が百も承知の上でひた隠しにしている諸矛盾をこの「原発戯画」が解きほぐしてくれることを期待したいと思います。

 まずは,この「原発戯画」がはじまったことを言祝ぎたいと思います。

 
新聞の切り抜きです。
新聞紙が薄いのでシワシワ。
これもまた東京新聞の重要な主張の表出。
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