2015年9月28日月曜日

捜索令状もなしに土足で踏み込む。これがアベの言う「積極的平和主義」か。

 憲法に保証された「思想・信条の自由」については,中学生になればみんな学校で学んで知っていることです。この憲法の精神にもとづいて,国会前などでの「憲法守れ」の運動に参加した学生さんたちの抗議行動が社会に大きな波紋を投げかけ,大きな運動のうねりとなっていることは周知のとおりです。かく申すわたしもそのなかのひとりです。

 そんな学生さんの住むアパートに,ある日,突然,警察がやってきて,警官が窓から進入し,玄関を開けて大勢の警官が家宅捜査をはじめた,という情報をSNSで知りました。学生さんは,令状の提示を求めたそうですが,「そんなものは関係ない」と切り捨てて,土足のまま踏み込んできた,といいます。

 令状ももたずに,あるいは,令状を提示することもなく,いきなり土足で学生のアパートに踏み込む,こんなことは60年安保,70年安保の時代にも聞いたことはありません。

 じつは,70年安保の時代に,わたしはさる県人寮(学生寮)の寮監をしていたことがあります。もちろん,当時の寮生の多くがヘルメットとゲバ棒をもって,安保闘争に参加していました。そんな折に,寮のまわりを機動隊に囲まれ,責任者として対応したことがあります。そのときも,寮の中の捜索をさせろと強く言われました。門の鉄扉越しに,「中に入れろ」「捜査令状をみせろ」「そんなものはない」「では,そちらの責任者をここに連れてこい」「いまはいない」こんな押し問答をかなり長い間したあげく,かれらは諦めて帰っていきました。

 あの三派系全学連が過激に闘争を繰り返していた時代ですら,いざというときの最後の手続はきちんと守られていました。ましてや,いま,学生さんたちが,たとえば,SEALDsの学生さんたちが取り組んでいる抗議行動は,いかなる暴力も排除された,じつに紳士的なものです。ですから,赤ちゃんを抱いた若いママさんも参加しています。幼稚園・小学生の幼い子連れの親も参加しています。わたしのような老人も参加しています。

 なのに,そういう非暴力の抗議行動に参加している学生さんのアパートに,いきなり土足で警官が乗り込むという,あってはならないことが起きています。

 アベ政権にとっては,目の上のたんこぶにも等しいSEALDsの活動でしょう。ましてや,「戦争法案に賛成した議員を落選させよう」という運動を展開していて,その支持者はネットをとおして鼠算式に増えているといいます。こうなると,アベ政権としては危機感をいだかざるをえません。こういう輩は早めに叩け,ということなのでしょうか。

 政権にとって都合の悪い奴らは,徹底的に叩け,そして,排除・隠蔽してしまえ,これはこのところますます露骨になってきたアベ政権の戦略です。アベの理想とする「平和」にとって邪魔な奴は徹底的に消してしまえ,これがアベの言う「積極的平和主義」のひとつの表出なのでしょうか。だとしたら,この方法は,アメリカのやり方と同じです。

 政権に楯突く集団は許せない,これがアベの「正義」です。ですから,SEALDsはその「正義」に楯突くわけですので,アベにとってはテロリストという位置付けになります。このイメージを,世の中に広めるための情宣活動の一環として,令状なしの暴力的な家宅捜査をはじめたとしたら,これは大問題といわなければなりません。なぜなら,政権が警察を私物化し,政権の利害を守るためだけに,意のままに動かすということが常態化しかねないからです。

 とうとう,こんなことまでやることになったのか,と唖然としてしまいます。
 しかし,こんな行政的手続を無視した,無法の家宅捜査が行われるとなれば,ますます反権力に目覚める国民(とりわけ,SNSを駆使する若者たち)が増大していくことは間違いありません。アベは率先して,みずからの反対勢力を増大させることに貢献しているのですから・・・・。このことに気づかないほどに,アベ政権は盲目になってしまっています。ここが怖いところです。

 ついに,恐怖政治の時代に突入です。これだけは,なんとしても歯止めをかけなくてはなりません。意を決して,粛々と取組みをはじめる以外にありません。
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