2015年9月23日水曜日

圧倒的な強さが光る照ノ富士。琴奨菊を圧倒。

 相手力士十分の型になっても,負けない。なんとか凌いで勝ってみせる。場合によっては,相手十分の型にみずから誘い込んでおいて,それからじっくりと攻めて自分の型に持ち込み勝負をつける。立ち合いのあと,どんな型になろうとも,びくともしない。慌てない。とにもかくにも,最後には,自分十分の型をつくりあげ,力で圧倒する。なんという恐ろしい力士が現れたものか。

 この強さは尋常一様ではない。照ノ富士自身も,絶対の自信をつけつつある。ふつうに取っていれば負けはしない,と。

だから,最後の仕切りには怖い顔になるものの,気持ちは落ち着いている。さあ,来い,とばかりに。精神的にもとてもタフだ。勝っても当たり前のような顔をしている。加えて,からだが柔らかい。上半身も下半身も柔軟性に富んでいる。これは,どうやら天性のものらしい。そこに,稽古でつけた力強さと技能が加わった。

今日(23日)の相手は,大関・琴奨菊だ。得意の型をもった力士だ。その型にはまると一気にがぶり寄りが炸裂して,もっていかれてしまうこともある。今日は,慎重に,右から張ってでた。左をこじ入れて左四つ。しかし,右の上手がとれない。一度は,琴奨菊の寄りがでて押し込まれそうになるも,左半身に構えてその寄りを止める。ここからが素晴らしかった。相手の左差し手を絞り上げ,徐々に照ノ富士の型に持ち込む。最後には,強烈な右からのおっつけで琴奨菊の体勢を完全にくずしておいて,突き倒し。勝負が終わったあとの挨拶では,負けた琴奨菊のからだが小さく縮んだようにみえ,その分,照ノ富士のからだはふくらんで大きくみえた。だから,照ノ富士の相撲が,またまた,ひとまわり大きくなったというイメージを残した。

 残り4日間。この調子では負けそうにない。なによりいいのは,すべて真っ向勝負にでて,勝っていることだ。はたいたり,いなしたり,立ち合いで変化したり,などという小細工はいっさいしない。すべて,正攻法だ。しかも,がっちりと組み止めてから,徐々に自分の型をつくりながら,攻めていく。相撲にスキがない。この相撲をとり続けているかぎり負けはない。ということは,このまま勝ち続け,全勝優勝も夢ではなくなってくる。

 わたしが相撲に興味をもち始めたのは小学生のときからだ。当時は,横綱・照国や東富士が活躍した時代だ。地方巡業にきたときには,はるばる6㎞ほどの道を歩いて見物にでかけたものだ。照国は,秋田県出身の色白の力士で,仕切り直しをしている間に,からだが紅潮してきて,がっぷり四つに組み合うと,全身が真っ赤になる。その相撲の流れを,自分の眼ではっきりと見届けたときから,わたしは照国のファンになった。

 照ノ富士の「照」は,おそらく,この照国の「照」をいただいたに違いない。そして,照ノ富士の「富士」は,師匠の旭富士の「富士」をいただいたに違いない。だから,照ノ富士とは,どちらも名横綱だった人のしこ名にゆかりのある,素晴らしいしこ名だ。だから,照の富士が力をつけ,大関に上がったときから,ずっとこの力士の相撲に注目してきた。

 ここまでくると,もう横綱は目の前だ。さらに稽古を積んで,自分の型ができあがったときには,堂々たる大横綱が誕生することは間違いないだろう。しかも,白鵬をはるかに超える,受けて立つことのできる大横綱の誕生である。その日がやってくることをいまから楽しみにしている。稽古相手にも恵まれている。申し分ない環境も幸いしている。期待大である。
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