2010年8月31日火曜日

『IPHIGENEIA』の原稿の締め切りについて。

 わたしが主宰している「21世紀スポーツ文化研究所」(「ISC・21」)の研究紀要『IPHIGENEIA』(通号第10号)の原稿の投稿締め切り日が,8月31日,つまり,今日でした。
 いろいろの事情で,どうしても原稿が間に合わないという方が複数,いらっしゃいますので,少しだけ締め切り日を延長しようと思います。原稿が途中までになっている方は,わたしのところにメールでご連絡ください。一人でも多くの方の論考を掲載したいと思っていますので,ご相談に応じます。刊行予定日は,10月10日ですので,それまでの間のやりくりの限界ぎりぎりまで,調整したいと思いますので,正直なところをお知らせください。
 現段階で掲載が確定しているのは,2本の合評会報告と研究ノート,エッセイなどが数本です。合評会は,「ISC・21」の月例研究会でとりあげた,今福龍太著『ブラジルのホモ・ルーデンス』(月曜社)と西谷修著『理性の探求』(岩波書店)の2本です。いずれも,著者を囲んでの,熱のこもった議論が展開されていて,原著をより深く理解する上で基調な報告になっています。いずれも3時間に及ぶ長時間でしたので,かなりの長編ですが,内容が濃く,読みごたえ十分です。大いにご期待ください。こんどの研究紀要の「目玉」となること請け合いです。
 ついでに,さきほど電話連絡があったばかりのホットなニュースを一つ。雑誌の名前は差し控えますが,西谷修,今福龍太のお二人にわたしが加わって,「大相撲問題」についての鼎談をやることになりました。11月号の特集だそうです。もちろん,体育・スポーツとは関係のない,とても評価の高い雑誌です。だいぶ前から日程の調整をしていたのですが,お二人とも超多忙ですので,なかなか,日程の折り合いがつかず難航したようです。が,なんとか譲歩していただけたようです。収録は10月11日。もう,雑誌としてはギリギリもいいところです。それでもやろうという雑誌社の心意気を感じます。「大相撲」を「思想」のことばで語る,というのが隠しテーマになっています。どこまで,思想・哲学の問題として切り込むことができるのか,とても楽しみです。もちろん,いつものように,わたしの胸は「ドキドキ」です。さて,わたしとしては,どのような話題をどこまで練り込むか,大きな宿題ができてしまいました。
 さらに,ついでに,もう一つ。すでに,このブログでも書いたように記憶しますが,来年の2月11日には,上記のお二人にわたしが参加して,「柏木裕美さんの新作・創作能面を語る」という鼎談を,銀座・文藝春秋画廊ですることになっています。昨年の2月に,第一回目の鼎談をやっていますので,今回は,第二回目の鼎談ということになります。なお,第一回目の鼎談の内容は,昨年の『IPHIGENEIA』(通号第9号)に掲載されていますので,ご覧ください。来年の柏木さんの能面展はお見逃しなきように。柏木さんのブログを読んでいる方はよくわかっていますように,いま,旬の人です。いわゆる眠っていた才能が「はじける」ようにして,驚くべき創作能面の世界を切り開いていらっしゃいます。日本でただ一人,まったく新しい境地に立ち,自由自在に能面の創作に取り組んでいる,という大変な人になってしまいました。テーマの一つは「小面百変化」。能面の世界では「小面の裏に般若あり」というそうですが,女性の顔の表情を,小面から般若にいたるまで「百変化」させてみようという,とんでもない構想で作品がつぎつぎに誕生しています。詳しいことは,ぜひ,柏木さんのブログで確認してみてください。来年の「新作・創作能面」に対して,今福さん,西谷さんがどのような論評をされるのか,これまたとても楽しみです。
 お断りしておきますが,「能面」もまた身体の一部ですので,能面を語ることは,わたしにとっては立派な「身体論」である,ということになります。「ISC・21」(21世紀スポーツ文化研究所)としては,大きな研究テーマの一つです。いずれ,柏木さんによるプレゼンテーションの機会をもちたいと考えています。こちらの方も,乞う,ご期待!というところ。
 おまけに,もう一つ。竹谷和之さんが頑張って新しい道を開拓している「日本・バスク国際セミナー」にも「ISC・21」は積極的に支援活動を展開しています。もともとは,神戸市外国語大学とバスク大学間の姉妹大学協定にもとづく「国際セミナー」としてはじまったものです。その第一回目の国際セミナーが2007年にバスク大学(スペイン)で開催され,その報告書が,ようやく単行本となります。題して『<スポーツする身体>とはなにか──バスクへの問いかけ』PART・1。この本は,日本側のセミナー参加者の発表原稿を編集したものです。それに対して,バスク側の発表原稿がまもなく揃うことになっています。そうなれば,『<スポーツする身体>とはなにか──バスクからの応答』PART・2,となる予定。そして,来年(2011年)秋には,第二回目の「日本・バスク国際セミナー」が神戸市外国語大学で開催が予定されています。すでに,発表原稿も揃っていますので,こちらも近日中に編集をして『<スポーツする身体>とはなにか──バスクへの問いかけ』PART・2,として刊行の予定です。
 というようなわけで,「ISC・21」も,ことしで3年目に突入していますが,ますます活動の範囲もひろがり嬉しい悲鳴をあげているところです。この「ISC・21」の研究員には,だれでもなれます。興味のある方は,わたしのところに「意思表示」をしてください。そして,ますます活動が活性化するよう支援していただけると助かります。研究員でない方も,ぜひとも,応援の方,よろしくお願いいたします。

1 件のコメント:

925 さんのコメント...

稲垣先生、西谷先生、今福先生の「大相撲問題」の鼎談、とてもたのしみにしています。今年春の『世界』での稲垣・今福両先生の対談に引き続きということになるでしょうか?『世界』が出てからも、いろいろなことが次々におこっているでしょうから、今回の鼎談はさらに白熱したものになるのではないかと期待しております。