2010年11月8日月曜日

今日はもう立冬。ことしもあと少し・・・・。

 ついこの間まで,暑い暑いと文句を言っていたのに,もう,いまは寒い寒いと文句をいう。人間なんて勝手なものです。
 毎年,同じように時間は流れているはずなのに,わたしの感ずる主観的な時間はどんどん速くなっていきます。年々,一日の時間が短くなっているのではないか,と本気で考えたりしています。時間の使い方が下手になってしまったのか,などとも考えたりしています。友人に話したら,おれも同じだよ,と。しかも,それが歳をとったということだ,とまでいわれてしまいいささか拍子抜けしてしまいました。自分ではまだまだ若いつもりでいますから,これもまた困ったものなのかもしれません。たぶん,周囲のみなさんには迷惑をかけていることだろう・・・・と。
 新聞で今日は「立冬」と知り,おやおやです。いつも,8月末くらいまではなんとなくゆったりとした時間が流れているような気がするのですが,9月に入るととたんに時間の流れが速くなってくるように思います。まあ,むかしから「釣瓶落とし」というくらですから,あっという間に夕日が沈み,夜の闇がやってきます。昼の時間が短くなっていくことと,時間の流れのスピード感覚とはマッチングしているようです。
 ことしはとくに秋がなかったという悔しさもあって,あっという間に冬がやってきて,それがなんだか損をしたようにも思えて,て,て,て・・・・,で,気がつけば,今日は立冬。川の流れでいえば,急流から激流に入るところ。そして,そのあとの12月は瀧のように流れ落ちるのみ。大晦日まではなすすべもなく流れ落ちていくのみ。ああ,情けなや,なさけなや。
 でも,むかしの人は言いました。忙しいときこそ仕事をしなくては駄目だ,と。忙しいから仕事ができないなんていうのは駄目人間の言う言い逃れにすぎない,と。そういえば,忙しい人ほどよく原稿を書いている。いったい,いつのまに書くのか,と不思議なほどだ。
 たとえば,佐藤優。かれは,睡眠時間3時間半だという。それでいてからだはメタボ。背中にまで肉を背負っている。胴長短足でちょこまかと歩く。かかりつけのお医者さんの言うには,心筋梗塞か脳溢血で死ぬ,と予告されているとか。それでも原稿を書き,講演にでかけ,対談があったり,取材に応じたり,その間隙を縫うようにして学校に通って「ことば」の勉強をしているという。そのことばは,沖縄の方言。これがまたものすごく難しいとのこと。これに比べたら,かれの得意としたロシア語なんかは簡単だった,と。
 わたしの恩師の岸野先生は,3時間も眠ると眼が覚めてしまう,とおっしゃった。食事も昼食はほとんどとらなかった。食べたくないのだ,とおっしゃる。が,じつは違うということを,あとになって知った。なにかの都合で先生と二人きりで箱根の共済の宿舎に一泊したことがある。そのときに,ちらりともらされたことが,食べ過ぎると眠くなるんだよね,と。一緒にお風呂に入って,びっくりした。これほどに痩せていらっしゃるとは知らなかった。ほとんど骨と皮のみ。肋骨がきちんと数えられるほどだ。かつては,体操競技の全日本チャンピオン。その当時の写真をみると,太い首,首の根っこに盛り上がった背中の筋肉,大胸筋はプラトンのように平ら,腹筋はボコボコ。まさに筋骨隆々だった。
 そんな先生が,わたしのはだかを眺めて,君は肉がたくさんついていていいねぇ,とおっしゃる。ところで君は何時間くらい眠るの?と尋ねられ,冷や汗が流れたことを昨日のことのように思い出す。先生の背中を流しながら,手加減がわからなくて,困り果てたことも思い出す。
 そうだ,睡眠時間だ。自分の自由になる時間を確保するには,睡眠時間を削るしかないのだ。老人になったから時間の流れが速くなった,などと嘯いていてはいけないのだ。佐藤優はあんなにメタボでも睡眠時間は3時間半で頑張っているではないか。
 よーし,あすから少しずつ睡眠時間を削っていくことにしよう・・・・とはいうものの,わたしは眠ることが大好きなのである。暇さえあれば横になって眠っていたい方なのだ。とりわけ,昼食後などは知らぬ間に居眠りをしている。これがまたなんともいえない快感なのだから困ったものだ。
 そのむかし,『短時間睡眠法』などという本がベストセラーになったことがあり,そこには,分睡法などという方法が紹介されていた。そうだ,これでいこう。すまじきものは宮仕えというが,その拘束からも解放されたいま,これだ,これだ,分睡法だ。いつでも,眠くなったら眠ればいい。眼が覚めたら好きな仕事をすればいい。これならできそうだ。
 よし,ことしの暮れは師走などとはいわせない。亀さんの走りでいい。ゆっくり,ゆっくり走ろう。しかし,うさぎさんのように長い昼寝をしないように。居眠りしながらでもいい。師走ではなく,亀走でいこう。
 まずは,朝飯前の一仕事から。

1 件のコメント:

まゆのほっぺ さんのコメント...

ある人に聞いた話。1分が年齢分の1で進んでいるのだとか。私だったら44分の1と言うことになりますか。
逆説的には年を取るのではなく年を引いて若返るなどと発想する人もいます。