1月22日(土)は奈良の山焼きの日です。数年前から,山焼きの日が1月の第4土曜日に行われるようになりました。それまでは,成人の日の前の土曜日だったように記憶します。が,この山焼きの日に,わたしはお里帰りをすることになっています。
ことしで,計算間違いをしていなければ,13回目のお里帰りです。
これにはちょっとしたわけがあります。わたしが,奈良教育大学で17年間,教鞭をとり,そこを辞して東京にでることになったとき,在学生や卒業生から「おれ達を見捨てるのか」と詰め寄られ,「いやいや,そんなつもりは毛頭ない」とは言ったものの,打つ手はなにもありませんでした。「せめて,年に1回は奈良に帰ってきてほしい」と言われ,即座に,「ならば,山焼きの日に毎年帰ってくる」と声高らかに宣言してしまった,というわけです。でも,これはいまから考えると「正解」だっとおもっています。なぜなら,だれにも連絡する必要はありません。そして,宿泊は,大学の教職員会館が利用できることを知っていましたから,「毎年,山焼きの日の午後にはここに集まろう。そして,ここでわたしは1年間の経過報告をします。そして,みんなからも1年間の報告をきいて,そして,山焼きをみて,そのあとはこの会館で懇親会をやろう」と,このとき瞬時にして骨格は決まりました。あとは,だれかが世話人となって,この教職員会館を借りる手続をすればいいだけとなりました。幸いにも,奈良教育大学の先生たちも協力してくれ,毎年,欠かすことなく,この会はつづいています。
わたしにとっては,奈良は第二の故郷です。出身地の豊橋ですら,住んでいたのは14年間。東京が18年間(この間に,7回引っ越しをしています)。あと,愛知,大阪と移住しますが,ここはいずれも2年間だけ。そして,いま住んでいる川崎が14年めに入ります。というわけで,やはり第一の故郷は豊橋,そして,第二の故郷は奈良,東京はなぜか故郷という感覚はありません。いま住んでいる川崎も長くなってきましたが,ここも故郷という感覚はありません。ですから,わたしにとっての故郷は,豊橋と奈良しかありません。そういう意味でも,奈良は第二の故郷なのです。地に足のついた生活をしたのは,この二カ所しかなかったということのようです。
ですから,わたしにとっての奈良は特別です。ですから,毎年の山焼きの日は,正月早々の最大の楽しみでもあるわけです。その日がことしは22日(土)。第14回目のお里帰りという次第です。午後2時から集まって,いまでは,研究会をやって,山焼きをみて,それから宴会です。
ことしの研究会のプログラムは(詳しくはHPの掲示板をみてください),『現代思想』11月号の特集・大相撲の合評です。この中の,「大相撲のゆくえ──近代スポーツを超えて」という鼎談(西谷修,今福龍太の両氏にわたし)と,「7月の身体」(井上邦子)が取り上げられることになっています。大相撲を「思想」の視点からみると,どういう世界がみえてくるのか,そこが議論のポイントになろうかとおもいます。それぞれにコメンテーターが割り当てられて,問題提起をしてくれることになっています。いまからとても楽しみ。
この関連で,もう一つの話題。折角,『現代思想』の合評をしていただけるのならというわけで,わたしたちの鼎談の録音テープを聞いてもらおう,と考えました。というのも,実際に雑誌に載録されたのは,鼎談の後半の部分であって,前半は,編集の都合でカットされてしまいました。じつは,この前半の部分で,このわたくしめが珍しく饒舌にしゃべっていて,なかなかいいことを言っている,と自負している次第です(自分で褒めないとだれも褒めてくれませんので)。で,そこの部分も,ぜひ,こんどの合評会では聞いていただこうと考えました。
そこで,『現代思想』の編集担当者の押川さんにお願いをして,その音源を「宅ふぁいる便」で送ってもらいました(容量が大きいので,特別の方法で送ってくれた,というわけです)。で,まずは,パソコンのハードにダウン・ロードしたまではよかったのですが,そのあとがいけませんでした。容量が大きくて,メールの添付では送信できない,ということをすっかり忘れていました。1月奈良例会の世話人をしてくれている竹村君に,これを添付ファイルにして送信しようとしたわけです。ずいぶん時間がかかるなぁとおもいながら,待つこと数分。そうして表示されたものが「容量が大きいので,分割して添付してください」というものでした。「あっ,そうか」と気づいて,じゃあ,USBにコピーして竹村君のところに郵送すればいい,と考えました。ところが,パソコンのハートにダウンロードしておいたはずの音源が見当たりません。それから探すこと数時間。とうとう,どこにも見当たりません。どこに行ってしまったのでしょう,あの音源は。
で,今朝,もう一度,パソコンを操作して探してみましたが,どうしても見つかりません。仕方がないので,またまた,担当の押川さんにお願いをして「宅ふぁいる便」で再送してもらいました。こんどこそ,失敗は許されません。まずは,パソコンのハードに落して,それから予備にとUSB,2本にコピーをとり,さらに,竹村君宛てに転送しました。もう,これで大丈夫でしょう。
西谷さんや,今福さんが,どんな風にして大相撲を語られているのか,そこにイナッチ君がどのように絡むのか,どうぞお楽しみに。
なお,この会は,ある意味で公開されています。詳しくは,HPの掲示板をご覧の上,世話人の竹村君に連絡をしてみてください。「ISC・21」1月奈良例会と「イナッチ会」(奈良教育大学卒業生の会)との合同の集まりです。夜の宴会も時間制限なしの(徹夜も可),楽しいひとときとなります。用事のある人から順次,帰宅。宿泊する人は,眠くなった人から眠る,というシステムです。まったくの自由です。
朝まで引っ張っていく主犯は,じつは,このわたし。あのおっさんには困ったものだ,とは影の声。でも,ことしは早めに眠るつもりですので,ご安心のほどを。
では,22日(土)午後2時,奈良教育大学の教職員会館でお会いしましょう。
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