2011年1月6日木曜日

新幹線「ひかり」号のチケットを早めに購入する理由。

 今月の22日(土)に予定されている「ISC・21」1月奈良例会に参加するためのチケットを購入しました。いつも早めに購入することにしています。なぜなら,早めに購入した方がなにかと恩典があるような気がするからてす。
 若い人たちは関係がないので知らない人が多いかもしれませんが,JRには「ジパング倶楽部」という制度があって,わたしはその会員になっています。男65歳,女60歳以上の人であれば,だれでも会員になることができます。年会費は3,670円。入会金は無料。この会員になると,購入するチケットの料金が3割引になります。これは大きな割引です。ただし,東海道新幹線は「のぞみ」には乗れません。したがって,「ひかり」を利用することになります。本数が少ないのが難点です。そこさえ我慢すれば,問題はとくにはなにもありません。その他の恩典としては,毎月1回『ジパング倶楽部』という雑誌が送られてきます。ここには意外に面白い旅情報が載っていたりして,まあまあ楽しむことができます。
 まあ,ひとくちに言って3割引ですから,3回に1回は無料だと思えば,ずいぶん,得をした気分になれます。わたしは平均して年に10回は関西方面にでかけますので,大いに助かっています。が,残念なことは「ひかり」号のみに限定されているということです。もちろん,「こだま」は問題ありません。なにゆえに「のぞみ」号には乗せないのか,これは大きな問題だとわたしは考えています。ヨーロッパの鉄道の制度には,リタイアした人を優先する制度がたくさんありますが,日本のような年寄を排除するような制度は,管見ながら,見当たりません。一度,JR(精確には「JR各社」というのが正しいらしい。もっと精確には「JR6社」という,と会員手帳のうしろにある「会則」に書いてあります)に問い合わせてみようと思っています。その理由はあとで書きます。
 で,まずは,早めに購入する理由について。
 一つは,窓側の席に座りたいから。まったく子どものような動機です。いや,まさに子どもそのものといった方がいいでしょう。わたしはむかしから汽車に乗ると,景色を眺めながら,ぼんやりしているのが好きでした。なにを考えるのでもなく,ぼんやり眺めているのです。そうすると,自分でもまったく予期しない,あるいは,ふだんはまったく考えもしない新しい「発見」があるからです。その内容を一つひとつ書きはじめますと際限がなくなりますので,それはまた別の機会にゆずることにします。とにかく,いろいろのことが頭のなかに浮かび上がってくるのが楽しくて仕方ありません。それが汽車に乗るときの最大の楽しみなので,できることなら窓側の席に坐りたいのです。
 二つには,乗る時間帯と季節にもよりますが,太陽との関係を念頭に入れて座席を指定します。冬なら日当りのする側に,夏なら日当りのしない側を。冬は日光浴をしている気分で,顔面で太陽の日差しを受け止めます。ほっこりとしたなんとも幸せな気分になれます。さすがに夏は遠慮させていただいています。問題は,春と秋です。ここは気分の問題ですので,そのとき,そのときの気分や体調に聞いてみて決めることにしています。こういうマイ・マザー(わが・まま)を満足させるためには,早めにチケットを購入することが不可欠です。
 三つには,二人掛けの窓側の席ですと,よほどのことがないかぎり,隣の席に人が坐ることがないからです。これは長い間,じっくりと観察していてわかったことです。相席は,まずは3人掛けの方から埋まってきます。そして,それから2人掛けの方にやってきます。たぶん,これはコンピューターにそういう設定がされているのではないか,と想像しています。ですから,2人掛けの窓側の席がとれれば,ほとんど隣の席も独占することができます。座席で,できるだけぼんやりしていたいわたしとしては,これはかなり重要なことなのです。
 四つには,これも長年の観察の結果なのですが,団体さんの席から遠く離れているからです。「ひかり」号の特色の一つは,さきに説明したとおり,ジパング倶楽部の会員の人が多く乗ります。つまり,お年寄りが多いということです。しかも,意外な発見は,団体旅行をする人が多いということです。こういう集団は,どうやら車両ごとに集めてあるようにも思います。一人で旅をする人の座席は,窓側から売れていくとすれば,まずは,2人掛けから,そして,3人掛けの窓側へと売られていくことになるはずです。そうすると,団体さんの席は遠く離れていくことになります。これまでの経験からしても,この推測はほぼ間違いありません。
 五つには,ぎりぎりでチケットを購入しますと,運が悪いと,この団体席の真っ只中の一つにあたってしまうことがあるからです。こうなったら悲劇です。もう,旅をしているどころではありません。いやでも,まわりに坐っている人たちの会話が全部まる聞こえで耳に入ってきてしまいます。眼のやり場もないですし,さりとて,眠ったふりをしているのも変ですし,ほんとうに困ってしまいます。場合によっては,お酒が配給されます。もう,こうなったら宴会も同然。しかも,お年寄りですから理性によるコントロールも弱くなっています。次第に声は大きくなってきますし,もう,どうしようもありません。しかし,こういうときに限って満席で,あき席がどこにもありません。ですから,どんなことがあっても,この最悪の選択だけは避けなくてはいけません。
 というような調子で,早めにチケットを購入する理由を挙げていくと際限がないほどです。まあ,とにかく,ひとり旅を楽しもうと思ったら,早めにチケットを購入しておくにかぎる,というのがわたしの最近のモットーです。
 さきに書きました,「のぞみ」号に乗せてくれないことに対する異議申し立ての理由については,長くなりますので,今回は省略。
 というわけで,今回も首尾よく,希望どおりの座席を確保することができました。これで,安心して,太陽の日差しを楽しみながら,ぼんやりと窓の外の景色をながめることができます。そして,空想の世界と現実の世界との自由気ままな往来を楽しむことができます。まい・ふぇいばりっと・わーるど。至福の時間です。お分かりいただけたでしょうか。これで,準備万端,1月奈良例会参加の旅が楽しみになってきました。
 もちろん,言うまでもなく,最大の楽しみは久しぶりにお会いできるみなさんの顔を,しっかりと見届けることです。その瞬間に,空白の時間になにがあったか,どういう生活をしていたか,がなんとなく浮かび上がってきます。それから会話がはじまります。そのやりとりがなんとも楽しみです。それでは,みなさん,1月22日(土),奈良の山焼きの日にお会いしましょう。

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