昨日(28日)は,共同通信社のK記者から取材を受けて,ついつい長話をしてしまった。テープ・レコーダーにスイッチが入ると,なにかしゃべらなくては・・・と柄にもなくテンションがあがってしまったようだ。それもさることながら,K記者の取材の姿勢がとてもよく,上手に話題を引き出してくれる。だから,自分ひとりではふだん考えたこともないことにまでも新たな展望が開けてきて,不思議な体験をさせてもらった。K記者のお人柄の暖かさと記者としての矜恃のようなものが伝わってきて,いつのまにかわたしにも伝染してきて,必死で応答している自分がいる。だから,わたしの頭のなかはフル回転。とてもいい時間を過ごした。一種の「場」を作り上げる能力のある方だなぁ,といまにして思う。久しぶりに味わう快感である。
そんな取材中の話のなかで,メディアをとおして流れる情報が人びとの意識に大きな影響を及ぼす時代なので,情報の取り扱いにはよほど注意しないといけませんね,というような話になった。同じひとつのできごとであっても,その見方,受け止め方によって,情報はいかようにも加工・編集できてしまいますからね,という具合に。
そんな話をした直後だっただけに,今朝のインターネット上を流れていた大相撲の玉鷲報道にはあきれはててしまった。片男波部屋のモンゴル出身力士が,千秋楽の日の夜,酔っぱらって腕に大怪我をし,入院したが27日には退院した,というそれだけの話。もう少し補足しておけば,部屋で打ち上げが終わったあと,親方をはじめ後援会の人たちと街に繰り出した。店に入る通路で,酔っぱらった玉鷲がガラスにもたれかかったときに,そのガラスが割れて,腕の動脈を切る怪我をしたので,すぐに病院に運んだところ入院となり,27日に退院した,という(この書き方も,わたしが,ネット上を流れているいくつかのメディアの報道をチェックして,その記憶で,つまり,わたしが加工し,編集したことだけを取り上げているにすぎない。だから,真実はどうなのかは定かではない。あるいは,真実などというものは報道のしようがないのかも・・・・)。
それでも,ここまで整理できるまでには相当の時間がかかっている。なぜなら,まず,最初に,びっくりしてこの報道に飛びついたのは,Niftyのホームページにでていた今日のニュースの見出しである。そこには,つぎのような見出しがでていた。
「”朝青龍病”蔓延,モンゴル出身・玉鷲がガラス割る」(夕刊フジ)
これをみた瞬間のわたしのこころの中は「ムカッ」といういらだたしさであった。「朝青龍病」だと?
そんな病名がいつから定着したのだ! いったい,どんな症状のことをいうのか? 数日前に,グルジア出身の黒海と臥牙丸が飲み屋で喧嘩して・・・という報道があったばかりなので,「えっ,またか?」と思うであろう読者のことを計算に入れた上での,まさに詐欺まがいのまことに質の悪い報道の仕方である。こういう報道を「メディアの暴力」とわたしは呼ぶ。報道の自由を騙る「暴力」だ。その理由は以下のとおり。
関連の報道のポイントをいくつか紹介しておくと,以下のとおりである。
「ガラスを壊した」(日刊スポーツ),「ガラスにひびが入った」(読売),「もたれかかって割れた」(共同通信),という具合である。
「ガラス割る」と「ガラスを壊した」という表現には,明らかな悪意を感じ取ることができる。報道各社の記事を読み比べてみると(10社ほど確認),「店に入る通路で,酔っぱらった玉鷲が大きなガラスの仕切りにもたれかかったときに,そのガラスが割れた」というあたりが真相らしい。もちろん,これもわたしの推測にすぎない。しかし,「割った」と「割れた」では大違いである。ここには明らかな故意の悪意が感じられる。いや,それどころか,嘘の報道をしている。名誉棄損で訴えられてしかるべき報道だとわたしは思う。
もちろん,基本的には,酔っぱらった玉鷲が悪い。しかし,そんなに酔っぱらった玉鷲を街中に連れ出した親方(元・玉春日)も悪い。監督不行届である。後援者の責任も重い。それにしても,このとき付き人たちはどうしていたのか。もしかして,玉鷲は,むりやりに連れ出されたのかもしれない。断り切れなくて・・・。もし,そうだとしたら・・・。これは単なる憶測なので,やめておこう。
さきほど「故意の悪意」と書いたが,その背景にあるのは「ゼノフォビア」(外国人忌避)だ。このことは,すでに,雑誌『世界』(岩波書店)にも書かせてもらったことがある(朝青龍が腰痛を理由に巡業を休んでモンゴルに帰国。その間にサッカーをしていたことがテレビの映像となって流れた。それがマスコミの批判の的となり,朝青龍バッシングの嵐が吹きまくった。そのために,あの朝青龍が「ウツ」になってしまったほどのショックを受けた。なぜ,こういうことになるのか,朝青龍には理解できなかったのだ。その間の経緯を考えた論考。その結論のひとつが「ゼノフォビア」である)。日本人横綱が不在になってすでに久しい。そのことに対する,口ではいえない不満が屈折して,モンゴル出身力士に対する誹謗中傷となって噴出する。しかも,メディアの一部がそれを率先垂範している。つまり,アジテーションだ。そして,このアジテーションをそのまま信じてしまう日本人が少なくない,ということだ。このことがなによりも大問題だ,とわたしは考えている。
じつは,わたしは共同通信社がどのように報道したのかな,とはらはらしながらページを開いた。そうしたら,きわめて冷静に「もたれかかって割れた」と書いてあって,胸をなでおろした次第。なぜなら,共同通信社は全国の地方紙とネットワークを組んでいるので,その影響力は計り知れないのだ。だから,せめて,共同通信だけは,冷静に,精確な報道をしてもらいたい,と以前から思っている。朝日・読売・毎日・日経,などの報道は,けしからんと思えば講読をやめればいい。そういう人が,わたしの身辺には増えてきている。わたしも大手新聞社の「傲慢」と「無自覚」,そして「不勉強」,「無責任」に業を煮やしているところ。そろそろ決別すべき時期か,と考慮中。その苦衷についてはこのブログでも書いたとおり。
同時に,ブロバイダーも変えなくては・・・・と検討中。もっとも,こちらはいくらでもセレクトできるので,自分の好きなブロバイダーのHPに入っていけばいいのだが・・・。
余談だが,最後にひとこと。玉鷲よ,強くなってもどってこい。前頭筆頭で5勝10敗は立派な星だ。あと三つ勝てば勝ち越しになり,三役に昇進だ。そのためには,三役力士から勝ち星を挙げられるようになること。そこを目標に頑張ってほしい。とても素質のある力士だけに,わたしはこころから期待している。あとは得意の型をもつこと。へこたれるなよ,玉鷲!モンゴル魂で一直線に前に出ろ。
そんな取材中の話のなかで,メディアをとおして流れる情報が人びとの意識に大きな影響を及ぼす時代なので,情報の取り扱いにはよほど注意しないといけませんね,というような話になった。同じひとつのできごとであっても,その見方,受け止め方によって,情報はいかようにも加工・編集できてしまいますからね,という具合に。
そんな話をした直後だっただけに,今朝のインターネット上を流れていた大相撲の玉鷲報道にはあきれはててしまった。片男波部屋のモンゴル出身力士が,千秋楽の日の夜,酔っぱらって腕に大怪我をし,入院したが27日には退院した,というそれだけの話。もう少し補足しておけば,部屋で打ち上げが終わったあと,親方をはじめ後援会の人たちと街に繰り出した。店に入る通路で,酔っぱらった玉鷲がガラスにもたれかかったときに,そのガラスが割れて,腕の動脈を切る怪我をしたので,すぐに病院に運んだところ入院となり,27日に退院した,という(この書き方も,わたしが,ネット上を流れているいくつかのメディアの報道をチェックして,その記憶で,つまり,わたしが加工し,編集したことだけを取り上げているにすぎない。だから,真実はどうなのかは定かではない。あるいは,真実などというものは報道のしようがないのかも・・・・)。
それでも,ここまで整理できるまでには相当の時間がかかっている。なぜなら,まず,最初に,びっくりしてこの報道に飛びついたのは,Niftyのホームページにでていた今日のニュースの見出しである。そこには,つぎのような見出しがでていた。
「”朝青龍病”蔓延,モンゴル出身・玉鷲がガラス割る」(夕刊フジ)
これをみた瞬間のわたしのこころの中は「ムカッ」といういらだたしさであった。「朝青龍病」だと?
そんな病名がいつから定着したのだ! いったい,どんな症状のことをいうのか? 数日前に,グルジア出身の黒海と臥牙丸が飲み屋で喧嘩して・・・という報道があったばかりなので,「えっ,またか?」と思うであろう読者のことを計算に入れた上での,まさに詐欺まがいのまことに質の悪い報道の仕方である。こういう報道を「メディアの暴力」とわたしは呼ぶ。報道の自由を騙る「暴力」だ。その理由は以下のとおり。
関連の報道のポイントをいくつか紹介しておくと,以下のとおりである。
「ガラスを壊した」(日刊スポーツ),「ガラスにひびが入った」(読売),「もたれかかって割れた」(共同通信),という具合である。
「ガラス割る」と「ガラスを壊した」という表現には,明らかな悪意を感じ取ることができる。報道各社の記事を読み比べてみると(10社ほど確認),「店に入る通路で,酔っぱらった玉鷲が大きなガラスの仕切りにもたれかかったときに,そのガラスが割れた」というあたりが真相らしい。もちろん,これもわたしの推測にすぎない。しかし,「割った」と「割れた」では大違いである。ここには明らかな故意の悪意が感じられる。いや,それどころか,嘘の報道をしている。名誉棄損で訴えられてしかるべき報道だとわたしは思う。
もちろん,基本的には,酔っぱらった玉鷲が悪い。しかし,そんなに酔っぱらった玉鷲を街中に連れ出した親方(元・玉春日)も悪い。監督不行届である。後援者の責任も重い。それにしても,このとき付き人たちはどうしていたのか。もしかして,玉鷲は,むりやりに連れ出されたのかもしれない。断り切れなくて・・・。もし,そうだとしたら・・・。これは単なる憶測なので,やめておこう。
さきほど「故意の悪意」と書いたが,その背景にあるのは「ゼノフォビア」(外国人忌避)だ。このことは,すでに,雑誌『世界』(岩波書店)にも書かせてもらったことがある(朝青龍が腰痛を理由に巡業を休んでモンゴルに帰国。その間にサッカーをしていたことがテレビの映像となって流れた。それがマスコミの批判の的となり,朝青龍バッシングの嵐が吹きまくった。そのために,あの朝青龍が「ウツ」になってしまったほどのショックを受けた。なぜ,こういうことになるのか,朝青龍には理解できなかったのだ。その間の経緯を考えた論考。その結論のひとつが「ゼノフォビア」である)。日本人横綱が不在になってすでに久しい。そのことに対する,口ではいえない不満が屈折して,モンゴル出身力士に対する誹謗中傷となって噴出する。しかも,メディアの一部がそれを率先垂範している。つまり,アジテーションだ。そして,このアジテーションをそのまま信じてしまう日本人が少なくない,ということだ。このことがなによりも大問題だ,とわたしは考えている。
じつは,わたしは共同通信社がどのように報道したのかな,とはらはらしながらページを開いた。そうしたら,きわめて冷静に「もたれかかって割れた」と書いてあって,胸をなでおろした次第。なぜなら,共同通信社は全国の地方紙とネットワークを組んでいるので,その影響力は計り知れないのだ。だから,せめて,共同通信だけは,冷静に,精確な報道をしてもらいたい,と以前から思っている。朝日・読売・毎日・日経,などの報道は,けしからんと思えば講読をやめればいい。そういう人が,わたしの身辺には増えてきている。わたしも大手新聞社の「傲慢」と「無自覚」,そして「不勉強」,「無責任」に業を煮やしているところ。そろそろ決別すべき時期か,と考慮中。その苦衷についてはこのブログでも書いたとおり。
同時に,ブロバイダーも変えなくては・・・・と検討中。もっとも,こちらはいくらでもセレクトできるので,自分の好きなブロバイダーのHPに入っていけばいいのだが・・・。
余談だが,最後にひとこと。玉鷲よ,強くなってもどってこい。前頭筆頭で5勝10敗は立派な星だ。あと三つ勝てば勝ち越しになり,三役に昇進だ。そのためには,三役力士から勝ち星を挙げられるようになること。そこを目標に頑張ってほしい。とても素質のある力士だけに,わたしはこころから期待している。あとは得意の型をもつこと。へこたれるなよ,玉鷲!モンゴル魂で一直線に前に出ろ。
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