2015年7月13日月曜日

新大関・照の富士が順調な滑り出し。大きな世代交代が起きようとしている。

 連日の猛暑のなか,いよいよ,これまた猛暑で名高い名古屋場所がはじまった。さて,今場所の行方やいかに。その焦点の人,新大関・照の富士。この人の今場所の乗り切り方によっては,大相撲に新時代が登場する,と楽しみにしている。

 この二日間をみるかぎり,まったく問題なし。堂々たる大関相撲である。不安な材料がひとつもない。立派なものだ。心身ともに充実したものを感ずる。

 初日の立ち合いで足を滑らせたとき,あっ,とおもったがすぐに体勢を整え直し,あとは余裕すら感ずるほどの大関相撲である。碧山に押されても,余裕をもって押させている。そして,俵に足がかかった瞬間に右からの上手投げ。まるで,稽古場でのぶつかり稽古をみているようだった。絵に描いたようにみごとにごろり。相当に自信がないと,そして,相当に力の差がないと。あんな相撲はとれないだろう。

 二日目の今日の相撲。過去2回対戦して2回とも勢が勝っている。だから,照の富士には多少なりとも苦手意識があるのではないかとおもっていたが,まったく,そんなものは無関係。それどころか勢がとりたい得意の相撲を,自分がとって見せた。昨日の立ち合いは,やや腰高だったその反省に立ってか,勢よりも低い立ち合いをしてみせた。しかも,その瞬間に浅い下手が引けた。これでもはや勢の動きは封じられてしまった。あとは,一直線に寄ってでた。勢が土俵際で必死にこらえたが,新大関はなりふり構わずがぶり寄りをみせた。

 この新大関・照の富士の相撲にくらべて横綱・白鵬の相撲は対照的だった。初日・宝富士,二日目・高安。いずれも手こずって,長い相撲となった。よくいえば白鵬が土俵上で相撲を楽しんだ。わるくいえば力が衰えてきて大苦戦となったということだろう。もっとも,宝富士も高安もここにきて急速に力をつけてきた力士だ。こういう力士たちが白鵬の立ち合いから一気の攻撃に耐えられるようになってきた,というところがポイントだ。つまり,これまで圧倒的だった横綱との力の差がつまってきたということだ。

 つまり,上位と下位との差がなくなってきたということ。その好例が,琴奨菊と豪栄道のふたりの大関。残念ながら,ふたりとも連敗スタートとなった。重症だ。それに付き合うかのように稀勢の里が,二日目にして早くもこけた。こんなところをみていると,何だか大きな世代交代が起きようとしているかにみえる。つまりは,若手の伸びが著しいということだ。

 その筆頭に立つのが照の富士。その面構えがまずはいい。相手をのんでかかっている。負けることなど考えてもいない。おれが勝つと信じている。しかも,勝って当たり前という顔をしている。だから先場所までは,勝って引き上げる花道の奥に入ると,付け人の方をふりかえりながら子どものような無邪気な笑顔をみせていたのに,今場所はにこりともせずきびしい表情のまま歩いていく。そうとうに強くこころに期するものがあるな,と感ずる。

 こんなところをみていると,どうやら,白鵬にとって代わって照の富士時代の到来を予感させるものがある。こんなに堂々と相撲をとられてしまったら,もはや奇襲戦法でもしかけるしかないだろう。ひょっとしたら,それすら通じないかもしれない。とくに,今日の立ち合いの姿勢の低さ,踏み込みのよさ,左上手をとる位置,などをみるかぎりスキなしだ。

 こうなってくると三日目の相撲が待ち遠しい。
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