神戸市の地下鉄駅前で「おやっ?」と思う光景に出会った。それも二日つづけて。時刻は午後6時前後。「節電15%にご協力を」と書かれた横断幕と「KEMS」と書かれた横断幕を手にして横一列に並んで立つ高校生である。横断幕の後ろには「兵庫県教育委員会」と「県立〇〇高等学校」の名前の印刷してあるのぼり旗が一本立っている。生徒の数はおよそ10名ほど。
この生徒たちは,一人ずつ順番に,節電についての「前口上」を大声を張り上げて述べたあとで「ご協力をよろしくお願いいたします」というと,こんどは全員が「ご協力をよろしくお願いします」と大声で応じている。わたしは「おやっ?」と思ってしばらく立ち止まって,この高校生たちを観察していた。そして,一緒にいた地元の人であるTさんに「KEMS」ってなんですか?と尋ねた。「神戸で環境問題にとりくんでいるNPO法人かなにかの団体だと思います」とのこと。で,ますます「おやっ?」と思ってしまう。
でも,初日は,つぎの用事があったのでそのまま立ち去った。しかし,翌日,同じ時刻にとおりがかると,昨日とまったく同じ光景に加えて,いま,はやりの丸うちわを2,3人の男子高校生が通行人に配布している。わたしももらってみると,白黒の格子模様が印刷してあり,表に「KEMS」,裏に「Checker」と印刷してある。そこで,この男子高校生に「KEMS」ってどういう意味なの?と聞いてみた。ところが,この高校生君は知らなかった。あわてて,近くで配布していた仲間の高校生君に助けを求めている。が,この高校生君も知らなかった。それを見ていた指導の女性の先生らしき人(横断幕の先頭のところに立っていた)が手をあげたので,そちらに移動。
すると,「神戸環境マネージメント・サービス」の英語表記の頭文字だ,とおっしゃる。具体的にはどんな活動をなさっているんですか,とわたし。すると,こんどは猛烈なスピードでその活動内容についてお話くださる。じゃあ,たとえば・・・・,とつぎの質問をしようとしたら,「これで失礼します」と言ってくるりと背中を向けてしまった。あれっ?と呆然としていたら,バッグから携帯電話をとりだして話をはじめてしまった。
おやおや,である。もし,くだんの女性が教員であるのなら,勤務時間中の携帯電話での応答ということになる。もしかりに,急ぎの連絡であったとしても,「ちょっとだけ失礼します」と言い残しておいて,手短に電話の応答をした上で,もう一度,わたしに向き直って,話を継続することはできる。わたしは,それを期待した。しかし,その背中には,みるからにわたしからの質問を拒否する「なにか」が表出してしまっている。ふたたび,おやおや,である。
あきらめて,わたしは横断幕に立っている高校生の一人ひとりの顔をみながらゆっくりと歩きはじめた。すると,横断幕の端っこに「〇〇高校ボランティア部」と小さく書いてある。同行のTさんに尋ねてみると,神戸・淡路大震災のあと,あちこちの高校にボランティア部ができた,とのこと。これは,これでわたしにとっては大発見。そう思いながら,つぎの「KEMS」という横断幕をもっている女の子に,ボランティア部の活動内容について尋ねてみる。そうしたら,意外なことに「わたしたちは中学生です」という。だから,ボランティア部ではありません,と。「えっ?」。よくよくみれば,なるほど,まだあどけなさを残す中学生の顔であった。
この生徒たちは,一人ずつ順番に,節電についての「前口上」を大声を張り上げて述べたあとで「ご協力をよろしくお願いいたします」というと,こんどは全員が「ご協力をよろしくお願いします」と大声で応じている。わたしは「おやっ?」と思ってしばらく立ち止まって,この高校生たちを観察していた。そして,一緒にいた地元の人であるTさんに「KEMS」ってなんですか?と尋ねた。「神戸で環境問題にとりくんでいるNPO法人かなにかの団体だと思います」とのこと。で,ますます「おやっ?」と思ってしまう。
でも,初日は,つぎの用事があったのでそのまま立ち去った。しかし,翌日,同じ時刻にとおりがかると,昨日とまったく同じ光景に加えて,いま,はやりの丸うちわを2,3人の男子高校生が通行人に配布している。わたしももらってみると,白黒の格子模様が印刷してあり,表に「KEMS」,裏に「Checker」と印刷してある。そこで,この男子高校生に「KEMS」ってどういう意味なの?と聞いてみた。ところが,この高校生君は知らなかった。あわてて,近くで配布していた仲間の高校生君に助けを求めている。が,この高校生君も知らなかった。それを見ていた指導の女性の先生らしき人(横断幕の先頭のところに立っていた)が手をあげたので,そちらに移動。
すると,「神戸環境マネージメント・サービス」の英語表記の頭文字だ,とおっしゃる。具体的にはどんな活動をなさっているんですか,とわたし。すると,こんどは猛烈なスピードでその活動内容についてお話くださる。じゃあ,たとえば・・・・,とつぎの質問をしようとしたら,「これで失礼します」と言ってくるりと背中を向けてしまった。あれっ?と呆然としていたら,バッグから携帯電話をとりだして話をはじめてしまった。
おやおや,である。もし,くだんの女性が教員であるのなら,勤務時間中の携帯電話での応答ということになる。もしかりに,急ぎの連絡であったとしても,「ちょっとだけ失礼します」と言い残しておいて,手短に電話の応答をした上で,もう一度,わたしに向き直って,話を継続することはできる。わたしは,それを期待した。しかし,その背中には,みるからにわたしからの質問を拒否する「なにか」が表出してしまっている。ふたたび,おやおや,である。
あきらめて,わたしは横断幕に立っている高校生の一人ひとりの顔をみながらゆっくりと歩きはじめた。すると,横断幕の端っこに「〇〇高校ボランティア部」と小さく書いてある。同行のTさんに尋ねてみると,神戸・淡路大震災のあと,あちこちの高校にボランティア部ができた,とのこと。これは,これでわたしにとっては大発見。そう思いながら,つぎの「KEMS」という横断幕をもっている女の子に,ボランティア部の活動内容について尋ねてみる。そうしたら,意外なことに「わたしたちは中学生です」という。だから,ボランティア部ではありません,と。「えっ?」。よくよくみれば,なるほど,まだあどけなさを残す中学生の顔であった。
中学生も,動員されて,ここに立っているのか,と思ったので「何時間くらい,ここに立つの?」と聞いてみる。「半時間ほどです」が,わたしには「3時間ほどです」と聴こえたので,ふたたび「えっ?」と思い,再度,確認してみたら「半時間」の聞き間違え。その間にそれとなく,さきほどの指導の先生らしき人の様子を気づかれないように観察する。すでに,電話は終わって,わたしの方の様子を心配そうな顔をしてみている。ならば,と思い,しっかりとわたしのまなざしをそちらに向けてみる。すると,みごとに視線をはずされてしまった。おやおや,である。
疑問点は大きく分けて二つ。
一つは,兵庫県教育委員会が県立高校の部活をとおして「節電15%」を訴えることの意味。
もう一つは,KEMSという神戸市の管轄下にある環境団体が中学生を街頭に立たせて「節電15%」を訴えることの意味。
いま,メディアを賑わせている「節電15%」は,もはや,完全なる政治的な駆け引きの問題となっている。ほんとうに「節電15%」が必要かどうかは,専門の学者の間でも意見の分かれているところだ。つまり,その根拠(積算の基礎)に疑問を呈する論者は少なくない。そして,「節電15%」は脅かしの論理であり,そのゴールは「原発推進」だ,と。
もし,そうだとしたら,兵庫県教育委員会とKEMSは「原発推進」のために「節電15%」を訴えていることになる。しかも,それを県立高校の部活や,中学生を使って。ということは,兵庫県教育委員会も神戸市も「原発推進」なのか,とわたしなどは勘繰ってしまう。
「原発はクリーンなエネルギーです」と教科書にまで書き込んで「原発推進」を担ってきた文部科学省のこれまでの方針を,兵庫県教育委員会がそのまま継承し,いまもなお,なんの反省もなく県立高校生の部活をとおして,「節電15%」の街頭活動を支援・展開している・・・としたら,わたしの背筋が凍りつく。環境団体もまた「二酸化炭素」排出を根拠に火力発電に反対し,原発を支持・推進してきた経緯がある。いまや,その根拠は完全な誤りであり,原発もまた核燃料を抽出するまでにとてつもない量(火力発電の何倍も)の「二酸化炭素」を排出していることが指摘されている。そこに「頬かぶり」をしたまま,またぞろ「原発推進」で活動しているとしたら,それこそ論理矛盾もはなはだしいということになる。
このあたりのことは,もっと厳密に調べた上で,きちんと考えをまとめてみたい。とりあえず,旅先での偶然の出会いから感じた疑問点の提示まで。
一つは,兵庫県教育委員会が県立高校の部活をとおして「節電15%」を訴えることの意味。
もう一つは,KEMSという神戸市の管轄下にある環境団体が中学生を街頭に立たせて「節電15%」を訴えることの意味。
いま,メディアを賑わせている「節電15%」は,もはや,完全なる政治的な駆け引きの問題となっている。ほんとうに「節電15%」が必要かどうかは,専門の学者の間でも意見の分かれているところだ。つまり,その根拠(積算の基礎)に疑問を呈する論者は少なくない。そして,「節電15%」は脅かしの論理であり,そのゴールは「原発推進」だ,と。
もし,そうだとしたら,兵庫県教育委員会とKEMSは「原発推進」のために「節電15%」を訴えていることになる。しかも,それを県立高校の部活や,中学生を使って。ということは,兵庫県教育委員会も神戸市も「原発推進」なのか,とわたしなどは勘繰ってしまう。
「原発はクリーンなエネルギーです」と教科書にまで書き込んで「原発推進」を担ってきた文部科学省のこれまでの方針を,兵庫県教育委員会がそのまま継承し,いまもなお,なんの反省もなく県立高校生の部活をとおして,「節電15%」の街頭活動を支援・展開している・・・としたら,わたしの背筋が凍りつく。環境団体もまた「二酸化炭素」排出を根拠に火力発電に反対し,原発を支持・推進してきた経緯がある。いまや,その根拠は完全な誤りであり,原発もまた核燃料を抽出するまでにとてつもない量(火力発電の何倍も)の「二酸化炭素」を排出していることが指摘されている。そこに「頬かぶり」をしたまま,またぞろ「原発推進」で活動しているとしたら,それこそ論理矛盾もはなはだしいということになる。
このあたりのことは,もっと厳密に調べた上で,きちんと考えをまとめてみたい。とりあえず,旅先での偶然の出会いから感じた疑問点の提示まで。
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