2013年1月16日水曜日

橋下君,トンチンカンですよ。桜宮高校の生徒や受験生を犠牲にしてはいけません。

 あまりにバカバカしい話なので無視しようと決めていましたが,やはり,許せない,と考え直し,書くことにしました。今朝の新聞に,桜宮高「体育科の入試中止」,橋下市長 バスケ部 無期限停止,という記事がありました。唖然として,開いた口が塞がらない・・・・とはこのことです。

 橋下君,いったい,あなたはなにを考えているのでしょうか。
 今回の顧問教師による暴力事件での最大の犠牲者は桜宮高校の生徒たちです。一番ショックを受けて呆然としているのは生徒です。この生徒たちを,どのようにして安心させ,救済するか,それこそが喫緊の課題です。一刻も早く,その手当てをすることがなによりも優先させるべき,あなたの使命です。それを「体育科の入試中止」ときた。生徒たちがなにか過失を犯したとでもいうのでしょうか。

 生徒たちにはなにも過失はありません。

 「バスケ部 無期限停止」も,なるほどと思わせながらも,じつはこれもトンチンカンです。生徒に過失はなにもありません。暴力をふるった先生だけが問題なのです。たとえば,高校の野球部などで生徒たちが重大な過失を犯したときにとられる方法が「無期限活動停止」でした。ここにも問題がないわけではありません。いわゆる「連帯責任」という考え方と,それに基づく処分の仕方です。過失を犯した生徒だけを厳重に処分すればいいのであって,まじめに努力してきた生徒たちにはなんの咎もありません。しかも,今回の場合には,ただひたすら先生の問題です。先生の過失を生徒にかぶせてどうするのですか。わたしが生徒だったら,ただちに異議申立をします。

 ましてや,桜宮高校の体育科に入学しようと,これまで夢見て,努力してきた受験生まで犠牲にするようなことをしてはいけません。断じていけません。

 新聞記事によれば,橋下市長は「受験を希望していた生徒や保護者には申し訳ないが,過去の連続性を断ち切る必要がある。こんなことで募集を続けるとなれば大阪の恥だ」と語っています。「過去の連続性を断ち切る必要」はそのとおりです。そのために「募集を中止する」というのは違います。あまりにも安易な方法に堕してはいませんか。これでは受験生が犠牲になるだけです。冗談じゃありません。

 橋下君。「連続性を断ち切る」のはかんたんです。二人の暴力教師を桜宮高校の教育現場から去らせることです。その方法はおまかせします。とにかく,一刻も早く二人の暴力教師を教育現場から遠ざけることです。そして,その穴埋めを急ぐことです。この二人に代わるべき,信頼のおける体育教師を補充することです。あるいは,ショート・リリーフでもいい,スーパー・コーチを雇って,生徒たちを励ましてやることです。そして,少なくとも,来る4月からは新しいスタートが切れるよう,特別の行政措置をとるべきです。「連続性を断ち切る」にはこれで充分です。生徒も受験生もみんな救われます。

 なによりも,生徒を第一優先に考えてほしいものです。繰り返しまずが,かれらにはなんの咎もありません。あったとすれば,同僚の教師であり,校長であり,教育委員会です。ですから,生徒を犠牲にしてはいけません。必要最小限にとどめなくてはいけません。

 橋下君。あなたは「行政の責任だ」と断言しました。しかし,それに対して義家君は「行政の無責任だ」と言いました。この応酬もまたどこか狂っているとしか思えません。いかにももっともらしく聞こえますが,基本的なところで変だと思いませんか。この種の部活の教師による暴力は,つとに知られている事実です。言ってしまえば,みんな知っていることです。ですから,いまでも,どこかで起こっているに違いありません。ただ,表面化しないだけの話です。それを「みてみぬふり」をして放置してきたのは,教職員であり,校長であり,教育委員会です。その実態を把握できていない文部科学省の責任です。もっと言ってしまえば,どこもかしこも「無責任体質」に陥っている,ということです。このこともみんな充分に承知しているはずです。にもかかわらず,相も変わらず,それが平然と行われているという病理現象こそが大問題なのです。こここそが,大いなるメスを入れるべき対象だ,ということです。

 わたしはこんな風に考えています。




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