2013年12月10日火曜日

雑誌『世界』の臨時増刊号『イチエフ・クライシス』を読もう。原発事故は収束していない。

 雑誌『世界』1月号と同時発行で,臨時増刊号『イチエフ・クライシス』が刊行されました。

 1月号は,特集「情報は誰のものか」を組み,まさにタイムリーに「特定秘密保護法」の諸矛盾を徹底的に検証しています。アベ君は,今日も,国会閉会記者会見で,いけしゃあしゃあと「もっと丁寧に説明すべきであった」(秘密保護法について)と,またまた堂々たる嘘をついていました。説明すればするほどボロがでてきて,国民の反対運動がますます大きくなってくるので,審議もそこそこに形式だけで打ち切り,タイムリミットすれすれに「滑り込んで」,無理やり通過させておいての,厚顔無恥丸出しの記者会見でした。それにしても,よくもまあ,あんな嘘っぱちが自信満々に言えるものだと,あきれ果ててしまいました。

 一方,臨時増刊号では,表表紙の裏側に,いきなり,つぎのような文章を載せて,迫力満点の気魄が伝わってきます。

「状況は,コントロールされている」
2013年9月7日,安倍晋三首相はブェノスアイレスにおけるオリンピック招致最終プレゼンテーションで,世界中に向けて公言した。
しかし,にわかに浮上した汚染水問題は,現時点が,イチエフの「廃炉に向けての第一歩」などではなく,原発事故と必死で闘っている状況であることをあらわにした。原発事故は収束していない。高線量の現場では,作業員の方々が懸命の収束作業を続けている。4号機からの燃料棒取り出し作業が始まったが,安全に遂行できるのか,世界中が一挙手一投足をかたずを呑んで見守っている。──中略。

いまこそ,真の事故収束と人々の復興,原子力政策の転換に向け,知恵を集めるべき時だ。

 このように宣言した上で,以下の4本の柱を立て,政府与党が必死になって隠し通そうとしている「イチエフ・クライシス」に切り込んでいます。

 Ⅰ───イチエフはいまどうなっているのか,汚染水問題の現状は
 Ⅱ───福島の現在──原発事故は何をもたらしたか
 Ⅲ───東電・原子力ムラをどうするか
 Ⅳ───たたかいはつづく

 わたしが,まず,最初に読み始めたのは「Ⅲ」のところからでした。なぜなら,つぎのような筆者とタイトルに惹かれたからです。
 古賀茂明(元国家公務員):東電は破綻処理をしなければならない──守るべき「国民負担の最小化」と「責任と負担の原則」
 泉田裕彦(新潟県知事):ご都合主義の規制基準では原発立地住民の信頼は得られません
 若杉れつ(にすいに列)(国家公務員):利権のモンスター・システムが日本を蝕む──『原発ホワイトアウト』著者に聞く

 といった,必見・必読の論考がつづいています。
 「モンスター・システム」とは「電気料金という無限に生み出されるカネを基にした集金・集票・メディア操作システム」のことで,その実態は『原発ホワイトアウト』のなかで,これでもか,これでもか,というほど詳細に論じられています。「原発はまた,必ず爆発する!」と「ホワイトアウト」を予告しています。日本の国に未来はない,その絶望の淵に追いやられてしまう力作の「リアル告発ノベル」です。まだ,未読のかたは合わせて読まれることをお薦めします。

 「特定秘密保護法」との闘いは,これからが本番となります。どれだけ辛抱強く,息ながく闘えるか,スタミナ勝負になります。そのスタミナを補強するためにも,この臨時増刊号は必見・必読です。ぜひ,読まれることをお薦めします。

 以上,今夜はここまで。

 
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