2013年12月12日木曜日

都知事居座りで,2020年東京五輪は大ピンチ。この際,思い切って五輪開催を返上したら?

 猪瀬知事がずっこけて,さっさと辞任するかと思いきや,全身全霊をこめて頑張るという。そして,その汚名返上のために,一年間の給料を返上するなどという「禊ぎ論」を持ち出して逃げきりを図ろうとしている。そんなことは5000万円問題とはなんの関係もない。東京都の職員であれば即刻罷免されるほどの大罪を,その長たる知事が犯したということの認識が欠落している。ただ,それだけの話だ。ただちに辞表を提出して,それからのんびりと「禊ぎ」をすればいい。どこぞの元首相のように,お遍路さんにでもでかければいい。そのためには,まずは,みずから身を引くことだ。こんなことすら判断できない体たらくだ。情けない。

 こんな人物に東京都民は,史上最高の得票を与えてしまった。たぶん,その瞬間に,この男は狂ってしまったのではないか。あのイシハラを超えた,と。一夜にして大金持ちになった人間は,ある日,突然,一夜にして金を失うという。どうやら,その教訓どおりになってしまったようだ。が,そのことにすら気付いていない。裸の王様を,お付きの者たちはなにを傍観しているのか。都知事のブレーンには,それを言える知恵者も勇気ある者もいないらしい。最悪の首長としかいいようがない。

 猪瀬知事が居すわれば居すわるほど,東京都の傷は,あらゆるところでますます深くなっていく。なによりも,新年度の予算が決まらない。新事業の執行もストップしたまま。なにもかも機能停止状態のままだ。こんな状態がつづくと国際社会にも顔向けできなくなってしまう。第一に,2020年の東京五輪開催の準備が進まず,顰蹙を買うことになる。こんな知事に五輪開催を任すわけにはいかない・・・・と。ただでさえ,五輪開催のための競技場建設工事が間に合わないのではないか,と大まじめに危惧されているというのに・・・・。

 たとえば,最大の難関と取り沙汰されている新国立競技場の建設がある。景観を壊すとか,規模が大きすぎるとか,設計に無理があって技術的に建設不可能だとか,維持管理費がかかりすぎるとか,いろいろ取り沙汰されているが,最大の難関はなんと「人手不足」だという。ゼネコンはこぞって一儲けしようと虎視眈々と狙っていたものの,いざ請け負いの準備にとりかかってみたら「人手」が圧倒的に足りないことが判明し,どこも請け負う業者はいないのではないか,とさえささやかれている。

 ただでさえ,東日本大震災からの復興のための労働力すら足りないといわれている上に,今夏の集中豪雨による土砂崩れが全国各地で起きて,そちらにも人手が奪われている。フクイチの原発作業員も底をついてきて,困り果てているという。放射能による汚染管理も杜撰であることが知られるようになり,フクイチを忌避する人が増えてきている,とも聞く。しかも,フクイチは決して「コントロール」されてはいない。きわめて危険な状態がいまもつづいている。いま,ふたたび大きく揺れたり,大きな津波が襲来したら,完全に「アウト」だという。

 そこにきて,東京五輪のための首都高速道路の新規計画の実現と,すでに50年が経過して老朽化した首都高速道路の大規模な改修工事が必要だという。不要だと地元からも評判の悪い「スーパー堤防」の建造はあきらめないと政府方針。なにを考えているのだろうか,と首を傾げたくなる。

 こんなに難題が連なっているというこの時期に,都知事のこの失態である。肝心要の五輪開催のための組織委員会の長でさえ,権力闘争の道具と化していて,にっちもさっちもいかない状態にある(都と政府の綱引き)。東京五輪招致が決定したら,ただちにその長を決めて迅速にその準備のために動きはじめなくてはならないのに,あの決定の瞬間の歓喜のシーンばかりがテレビで繰り返し流され,そのままなにもなされないまま放置されている(水面下では相当に激しい駆け引きが行われているとも聞く)。こちらも情けない話である。

 この八方塞がりの現状を打破する展望は,いまのところなにもない。わたしの個人的な見解では,当分の間,建設現場の「人手」不足を解消することは不可能だということだ。どう考えても不可能だ。残る手当ては,大量の外国人労働者の動員しかない。そこまでして,はたして,計画どおりの工事ができるとは思えない。いろいろのトラブルが発生して,ますます問題が複雑になるばかりではないか,と危惧する。

 ならば,この際,国内多事多難につき(フクイチの収束,災害復興,集中豪雨,など),2020年の東京五輪開催を返上したらどうか。第二次世界対戦勃発を理由に,東京五輪を返上した過去の実績もある。こんなピンチの時代に,外国に対して円借款などをしている場合ではないだろうに。もっと,国内の「非常事態」に眼を向け,真っ正面から取り組み,そこからの脱出のために全力を投ずるべきではないのか。それこそが最優先課題ではないのか。

 臭いものには蓋をして(特定秘密に指定),国民の眼をたぶらかし,弱い立場の人間に全部しわ寄せをして,金持ちばかりが得をし,権力の安泰を図ろうとする政権与党の,まだまだつづく企み(悪法)をしっかり監視しなくてはならない。とりわけ,2020年の東京五輪開催が,そのための絶好の「眼くらまし」に用いられようとしていることに,もっともっと注意を喚起しておきたい。

 これから「この一年」を振り返るテレビ番組や新聞報道が企画されることだろう。すでに,そのきざしは始まっていて,今日もまたニュース番組のなかで,万歳を叫び,躍り上がって喜ぶ「五輪招致決定の瞬間」が流されていた。「イチエフ・クライシス」がまだまだ非常事態にあるというのに。スポーツはそのための絶好の小道具として,これまでも何回も利用されてきた。そのことを強く意識していく必要がある。

 もう一度,言っておこう。この際,思い切って2020年東京五輪開催を返上してはどうか。のちに,後悔しないためにも。蛮勇を奮って決断すべきときではないだろうか。
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