2014年5月19日月曜日

「ISC・21」5月大阪例会(通算82回目),無事に終了。

 表記の研究会(世話人・松本芳明)が5月17日(土)の午後に,大阪学院大学を会場にして開催され,無事に終了しました。通算82回目の研究会でした。数えてみてびっくりです。よくつづいているなぁ,とわれながら感心。でも,いつのまにか淘汰されて参加する人数は減少。でも,その代わり参加される人はみんなとても熱心。白熱した議論で盛り上がります。

 とくに盛り上がった議論のいくつかを紹介しておきますと,以下のとおりです。

 まずは,学会誌に論文を投稿する段階で,ドイツ語の訳語をどのようにすればいいか,という問題がSさんから提起されました。ひとつは,Eigenwesen.もうひとつは,Kunstbewegung.いずれも直訳では日本語として意味をなしません。そこで,ドイツ語の意味内容にできるだけ近い日本語を,ある程度,意訳して当てはめていくしかありません。

 まずは,Eigenwesen.訳本によれば「固有性情」と訳されているのですが,これではなんのことか意味が不明になってしまいます。むしろ,直訳して「固有の本質」,あるいは,「個々の本質」,または,本質のところを「存在」に置き換えてみる方がなんとなく意味がみえてきます。しかし,それでもまだしっくりはしません。ですから,もう少し意訳して,ぴったりの訳語を探さなくてはなりません。いろいろ議論してみましたが,結論には達せず。

 もうひとつのKunstbewegungもまた同様でした。直訳すれば「芸術運動」となってしまい,これでは思想運動になってしまいます。体操運動の訳語としては不適切です。芸術に代わる訳語としては「技術」「技芸」などがありますが,いずれもぴったりきません。こちらも結論には達せず。

 しかし,いま,少し気持の落ち着いたところで考えてみますと,以下のように考えるといいのではないかと思います。

 Eigenwesenは,運動をする存在ということを前提に考えてみますと,「生きもの」そのものを意味していることがわかってきます。となりますと,「個々の生きもの」というイメージが湧いてきます。しかも,生きもののうちでも,植物ではなくて動物であることもわかってきます。となれば,「個々の動物」くらいの意訳も可能となってきます。

 もうひとつのKunstbewegungは,その対立語がNaturbewegung(自然運動)だということですので,それを強くイメージして訳語を考えてみればいいように思います。自然運動は,あらゆる動物が生まれながらにしてからだを動かすことのできる運動の総称だとすれば,Kunstbewegungは,Naturbewegungをベースにした,人間だけに可能な創意工夫した運動のことではないか,ということがわかってきます。だとすれば,Kunstbewegungは「創意工夫運動」,あるいは「創造運動」という訳語が可能ではないかと思います。

 このあと,わたしのプレゼンテーションがありました。題して「歴史の天使」と「クンスト」(Kunst)について。(内容は省略)。

 最後に,『聖なるものの刻印』(ジャン=ピエール・デュピュイ著,西谷修,森元庸介,渡名喜庸哲訳,以文社)の読書会。こちらは時間切れになってしまいましたので,次回(6月神戸例会)に引きつづき行うことになりました。

 以上。時間切れ。未完成。
 
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