2014年5月9日金曜日

五輪放送権料,うなぎのぼり。2032年夏季大会まで契約(米・NBC)。狂気の沙汰。

 スポーツは政治とは関係ありません。スポーツは経済とも関係ありません。純粋なアマチュアリズムの精神のもとで,純粋にスポーツの優劣を競うことに価値があるのです。だから素晴らしいのです・・・・・・・と,わたしたちは教えられ,それを信じていました。ですから,みんな手弁当で競技会に参加していました。旅費も滞在費もユニフォーム代も,みんな自己負担。

 いまから50年前。それが当たり前でした。

 それがいまから30年前,1984年のロサンゼルス大会から五輪の金融化の幕が切って落とされました。詳しいことはこのブログにも,雑誌『世界』にも書いてきましたので割愛します。今回は,その五輪の金融化が,ついに狂気の領域に踏み込んだ(とわたしが感じる)ニュースに接し,あきれ果てたというか,世も末だと思いましたので,その問題を考えてみたいと思います。

 今朝(9日)の朝日新聞は,「五輪放送権料 天上知らず」という大きな見出しの記事を掲載しました。見出しを順にあげておきますと以下のとおりです。「米向け6大会7780億円でNBC獲得」,「契約の相場に」,「日本のTV局『東京に影響』」,という具合です。

 内容を読んでみますと,アメリカではこれまで自由競争で入札が行われてきたのに,IOCは今回初めてNBC側とだけ交渉し,契約してしまった,という驚きの事実がひとつ。もうひとつは,2022年冬季大会から2032年夏季大会までの6大会を一括して7780億円という巨額の契約をNBCが結んだという事実。

 アメリカではこれで採算がとれるらしいが,これが他の国との契約額の相場になるといいます。だとすると,日本のTV局(ジャパン・コンソーシアム:NHKと民放連で組織)はとても対応できない,といまから恐れているという。

 たとえば,2018年の平昌(ピョンチャン)冬季大会と2020年の東京・夏季大会は時差の心配がないので,前回の倍近い700億円くらいの強気の提示をIOCがしてくるのではないか,という。だとしたら,日本のTV局は対応不可能だという。なぜなら,すでに2012年のロンドン五輪ですら収支が赤字になった,という事実があるからだ。にもかかわらず,その倍もの金額を要求されたら,日本のTV局はお手上げだ。場合によっては,東京五輪をリアル・タイムで見ることはほとんど不可能になってしまう,という。

 こんなことをIOCと米国のNBCが,まるで独占して,決定してしまっているというのです。しかも,この契約金額にすべての国が「右へ習え」というのです。もちろん,これから個別の交渉がはじまるのですが,それにしても,すでに現実ばなれした金額になってしまっています。このところ,IOCは恐ろしいほど強気ですから,東京五輪のときの放送権料を,NBC基準で(あるいは,自国開催だからというのでもっと高額で)提示してくるのではないかと思います。

 IOCは,だれでもご承知のように,もうすでにいい加減馬鹿げたマネーゲームに終始しています。そして,前倒しをして(NBCは2032年大会まで。どの都市で開催されるかも決まってもいない大会までもふくめて)まで,各主要国にテレビの放映権料を要求してきます。いったい,これほどの巨額の金をIOCはなぜ前倒しをしてまでして手に入れようというのでしょうか。

 こういう姿勢そのものが,すでに,狂気の領域に踏み込んでしまっている,というのがわたしの受け止め方です。こういう事態もまた,IOCがひとつの時代精神をになう役割を終えて,幕引きの段階に入った(あるいは,自己崩壊の段階に入った),典型的な表象のひとつではないか,と。

 IOC帝国もいよいよ断末魔の情況を露骨に示すようになったか,とわたしは本気で考えています。しかも,その情況に歯止めをかけようという動向もみられません。大きな国家(帝国)や大企業が崩壊していくときというのは,わが身の重さに耐えかねてつぶれていきます。ローマ帝国しかり。そして,IOC帝国もしかり,と。

 ついでに書いておけば,2020年の東京五輪は(つまり,東京だからこそ),ほんとうに開催可能なのかという不安がわたしのなかには「つねに」あります。フクシマは「under control」どころか,ますます「uncontrollable 」な状態へと日々突き進んでいます。この状態に蓋をすべく,アベ君は出かけても物笑いにされるだけのヨーロッパ歴訪の旅にでかけ,ニュースをつくることに必死です。そして,積極的平和主義という名の戦争擁護論まで展開しています。もどってきたら,またまた集団的自衛権の行使をちらつかせ,あまり先を急がないと言って,国民の目をここに釘付けにしようとしています。こうして,フクシマはますます過去のことにされつつあり,忘却の彼方へと追いやられていきます。ほんとうに困ったものです。しかし,フクシマの事態は深刻です。ますますその度合いを日々深めています。ですから,いまからでもいい,辞退すべきではないか,と。

 またまた,脱線してしまいましたので,このあたりで今日のブログはおしまいにしたいと思います。
 
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