2015年5月9日土曜日

尖閣諸島の領有権を「棚上げ」にもどそう。嘘をついてまでして燐国・中国と対立することはない。

 ほんとうにこの国はいったいどうなってしまったというのでしょうか。とても大事な「事実」確認をしないまま,「拡大解釈」なる魔法の手をつかって,つぎからつぎへと事実を歪曲して,それを既成事実であるかのように見せかけて,暴走をつづける政府自民党。それに歯止めをかけるべきジャーナリズムの「死」。そして,騙されつづける国民。

 尖閣諸島の領有権は「棚上げ」というのが国際社会の共通認識である,という「事実」をわたしたちはもっと直視しなければなりません。アメリカ政府だって,尖閣諸島が日本の固有の領土であるとは「ひとこと」も言ってはいません。尖閣諸島が他国から攻撃された場合には,それは日米安保条約によって守るべき対象になる,と言っているだけです。

 このブログでも書いてきましたが,わたしの記憶によれば,間違いなく尖閣諸島は「棚上げ」で日中は合意していました。そして,ひところは,尖閣諸島の周辺海域の埋蔵資源を,日中で共同開発することまで合意し,話が進んでいました。この話が,突如,宙に浮いたまま,わが国固有の領土問題が持ち上がってしまいました。そして,いつのまにか政府自民党は一方的に「わが国固有の領土」宣言をして,日本のものにしてしまいました。

 ここから話はややこしくなるわけです。中国が黙っているわけがありません。「棚上げ」の話はどこにいったのか,と。それなら,国際法廷で決着をつけよう,と中国は主張。日本政府はそれを拒否。自分たちの主張が正しいなら,堂々と国際法廷で争えばいいのに,それはしない。できないのだ。中国は「歴史に学べ」と主張。この意味は深い。日本国は「ポツダム宣言」を受諾したことを忘れてしまったのか,と言外に含んでいる。これを持ち出されたら,手も足も出ません。「無条件降伏」をしたのですから。そのときの,中国は「戦勝国」です。

 尖閣諸島の後始末をしなかったのは,アメリカの責任です。なんとなくうやむやのうちに実効支配だけを日本政府に委ねてしまったからです。そして,その苦肉の策が領有権については「棚上げ」というところに落ち着いていたのです。いずれ,領有権については冷静に話し合いができる時代がくるだろうから,それまでは「棚上げ」にしておこう,ということで日中ともに合意をしていたはずです。少なくとも,中国はそう信じていた。裏切ったのは日本です。なんの断わりもなく,突然,領有権を言い出したのですから。話し合いもなにもないままに・・・。

 そこから,日本政府の「嘘」がはじまります。あの手この手で「嘘」の上塗りを開始し,まるで既成事実であるかのような振る舞いをしてきました。そして,いまでは,メディアも「領海侵犯」ということばを当たり前のように用いています。だから,国民もみんなそう信じてしまいます。

 しかし,「事実」はいつか必ず「顔」をみせるものです。わたしもうっかりしていましたが,いまごろになって,YAHOO!ブログ(2015/4/13(月)午後10.13)をFBで知り,その内容を読んでびっくり仰天でした。それは「五代目豆助ファンのブログ」からの転載でした。そこには,つぎのように書いてありました。要約しておきます。

 昨年の大晦日(2014年12月31日)のロンドン発共同通信のスクープ記事として,つぎのように伝えています。英国が公開した機密外交文書によれば,サッチャー英国首相が1982年に訪日した際,当時の鈴木善幸首相が尖閣問題は棚上げする事で中国と合意していることをサッチャー首相に伝えていた,と。

 このスクープ記事が,大晦日から正月を通過していく中で,どこかに埋もれてしまったようです。そして,以後,どのメディアもこのスクープ記事を取り上げて論評したり,批評したりした痕跡はありません。少なくとも,わたしは知らないでこんにちまできてしまっています。が,YAHOO!ブログがこの記事を復活させたことにより,わたしはびっくり仰天でした。

 これが「事実」だとしたら(少なくとも,この「事実」はわたしの記憶と同じです),日本の政府・外務省は,中国との棚上げ合意していたのに国民にそれを隠し,棚上げ合意をした覚えはない,そういう証拠もない,尖閣は日本のものだ,領土問題は存在しない,と嘘をついていたことになります。わたしは,以前から,このことの「誤り」を主張してきました。

 中国も,尖閣諸島を以前の「棚上げ」にもどしてくれれば,日中間の大きな障壁がひとつ解消する,とその意思を明らかにしています。日本のメディアが怠慢で,そのことを報道していないだけです。ですから,多くの国民はみんな誤解して,中国が悪い,領海侵犯を繰り返す,と信じて疑いません。

 しかし,これがアベ君の望むところで,国民に危機意識を煽り,日本の領土をいかにして守るか,そのためには沖縄の米軍基地は不可欠なのだと説き,辺野古に本格的な軍事基地を建造しようとしています。そして,ここを手がかりにして,憲法9条を「廃棄」して戦争のできる国家の建設に向けてまっしぐらです。この問題はこれ以上ここでは触れません。

 問題は,尖閣諸島を,以前の約束どおりに「棚上げ」にもどせば,日中間の危機意識は一挙に解消してしまいます。このことの方がどれだけ「国益」に貢献することか,だれの眼にも明らかです。こんな単純な,判断ミスが,「国益」を大きく損ない,はては戦争まで視野に入れた軍備までしなくてはならないという「愚」に向かっていってしまうのです。

 戦争というものは,ほんとうに馬鹿げたきっかけで始まり,はじまってしまったら,もう,だれも歯止めをかけることはできません。それこそ国民の「主体」はどこかに「棚上げ」にされ,国家の命ずるままに,あたら「いのち」を無駄にするだけの話です。

 もう一度,繰り返しておきます。尖閣諸島の領有権を「棚上げ」にもどそう。嘘をついてまでして燐国・中国と対立することはありません。領有権で争っても,得になることなどひとつもありません。もし,どこまでも領有権を主張するのであれば,中国の提案するとおり,国際法廷で争えばいいのです。これが,話し合いによる「問題解決」であり,「外交」というものです。武力を用いる「愚」だけは,どんなことがあっても忌避すべきです。
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