2011年12月3日土曜日

東京都も再生可能エネルギーに舵を切るという。花丸。

東京都のイシハラ君は,五輪招致運動を展開するかと思えば,電力を東電だけに頼らない方法をさぐるともいう。ひょっとしたら両面作戦か。それとも,単なるみせかけだけか。それにしても,三菱地所が都から3000万円の補助金を受けて,来年3月までに調査結果をまとめる,というのだからまずはよしとしよう。

もっとも,三菱地所が原子力ムラにとりこまれていたら,その調査結果はいまから予測ができようというものだ。しかし,都はこの調査結果を公表し,新宿や池袋などの他のエリアやビルでも参考にできるようにするという。今回は,とりあえず,「大丸有」地区(大手町,丸の内,有楽町)の大規模再開発エリアで,複数のビルを含む街区を対象とする,という。

そして,来年度は,三菱地所のデータをもとに,採算性も含めた詳細調査をする予定,という。これまで使っていない下水排熱などの利用や,太陽光発電など再生可能エネルギーの導入拡大を検討し,スマートグリッド(次世代送電網)の構築も模索する,という。

なにはともあれ,東京都が舵を切って,エネルギーを大量に消費する都内のオフィスビルの集積地で,電力の供給を東京電力だけに頼らず,再生可能エネルギーなどにシフトさせる方法の模索に動きはじめたことに,花丸。

再生可能エネルギーへのシフトに関しては,なにせ腰の重い民主党政権。そして,野党の自民党。それらへの牽制か,はたまた「大阪の乱」に刺激されて,これまで温めてきた政策を加速させたということか。いずれにしても,圧倒的多数を占める「脱原発」への民意に真っ正面から向き合う姿勢を示すことが政治家としての矜持だ。大阪のハシモト君とも,妙なところで共鳴しているようなので,その先手を打ったというところなのだろうか。あるいはまた,そのさきの展望まで含めて,大きな野望を抱いたということなのだろうか。

とにもかくにも,東京都が動きはじめた。このことの意味は大きい。大阪も黙ってはいまい。そうなれば,各道府県でも,それぞれの地域の特性を生かした再生可能エネルギーの開発や,スマートグリッドの構築に取り組む道が開けてこよう。これからの東京都の実績の積み上げに注目したい。

昨日の城南信用金庫のような,企業サイドからの努力を,地方自治体のサイドからもサポートする道が開かれてくれば,再生可能エネルギーへのシフトが一気に加速するというものだ。こんどは,個人が努力する番だ。

今日の「東京新聞」の「脱原発」考というインタビュー記事に,物理学者の池内了さん(総合研究大学院教授)の談話が載っている。「太陽光発電の設備を自宅の屋根に備えるには150万円かかると聞くと尻込みする。だから,手がとどく発電用のパネル一枚からでいいんです」と提案している。「それで明かりをつけてみる。発電の威力に惹かれるでしょう」と体験を語っている。

まずは,わたしたちのできるところからはじめようと池内さんは力説する。そして,節電や代替エネルギーの設備を個人でも負担していくことが大事だ,と。

「脱原発」を声高に叫んでいるだけではなにも進まない。わたしたちの身近にできるところから,小さな努力を積み上げていくこと,これが一番大事なことだ,とも。

今日の「東京新聞」が伝えてくれた,もうひとつの話題。自動車ショーがはじまり,自動車と家とのコラボレーションの提案がいくつもあって,面白いという。そのひとつは,自動車に蓄電されている電気を家電につなげて,夜はこちらでも利用する,という提案。蓄電池の性能がよくなれば,かなりの電力を補填することができるという。災害時に思いついたアイディアが,いよいよ,実用化の段階に入っていくという。これだけでも,相当の電力を賄うことができるそうだ。

自転車のペダルを踏んで自家用発電をしながら,テレビをみる,ということも絵空事ではなくなってきた。もう,すでにその設備は開発されていると聞いているので,あとは普及させるだけのこと。

こんなアイディアはこれから,いくらでも浮かんでくるだろう。
それと「節電」とを組み合わせれば,不可能が可能となってこよう。

今日の新聞は,なんだか元気をたくさん与えてくれた。
夢と希望を与えてくれる週末になりそう。
少しは明るい夢でもみないと,ほんとうに「ウツ」になってしまいそう。
「東京新聞」に感謝。

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