オリンピックのことは書くまい,と思っていたが,メディアがあまりにうるさいので,やはり書いておくことにする。みなさんのご意見をお聞かせください。
五つの候補都市のうち,ドーハ(カタール)とバクー(アゼルバイジャン)が第一次選考会で落選して,イスタンブール(トルコ),マドリード(スペイン),そして東京の3都市が通過した。
東京新聞も,昨日(24日)の夕刊トップで記事を書いている。東京都民のための新聞という立場からすれば当然のことではある。しかし,脱原発依存をかかげている新聞社としては,やや,腰が軽すぎはしないだろうか。第一に,東京都民の半数以上がオリンピック招致に賛成していない(IOC調査による),という事実をもっとしっかりと受け止めるべきではないか。そして,そういう背景について,つまり批判的な意見があるということについて,ほんの少しだけでもいい,書いておくべきではなかったか。東京新聞のこんごの奮起を促したい。
で,ここからは,わたしの意見。原発推進運動とオリンピック促進運動とは表裏の関係にあって,まったく同じ構造をしている。このことについては,すでに,このブログでも書いてきた。オリンピックという平和運動は,原発安全神話と同じで,まったくの「みせかけ」にすぎない。嘘で固めたでっち上げにすぎない。ということが,わたしの理解のなかではっきりした以上,オリンピック・ムーブメントには協力できない。むしろ,反対である。原発推進と同じように。
その根拠については,これから折にふれ,このブログでもできるだけわかりやすく書いていこうと思っている。一点だけ触れておけば,今夏のロンドン大会では,軍隊と警察,合わせて2万人以上を警備に当てると発表されている。それほどに「敵視」されるスポーツの祭典とはなにか,ということだ。ここではこれ以上の話は,ひとまず措くとして,第一次審査を通過した現時点での,わたしの所感を述べておくことにしよう。
もし,オリンピック・ムーブメントが,5大陸(五輪)を結ぶ全世界の民族の祭典を目指すのであるなら,次回は,イスタンブール(トルコ)で決定である。基本的な条件をクリアしているということが第一次審査で明らかになったのだから,2回目開催を目指す東京もマドリードも,辞退すべきだ。それでもなお,第二次審査に向けて運動を展開すると言っている。そんなカネを使わないで,そのつぎに回せばいい。カネの無駄遣いだ。IOC委員がまともな人間で多数を占めていれば,最終選考で東京が選ばれる可能性はない。
たとえば,イスタンブールはすでに5回も連続して手を挙げているのに落選つづきだ。そして,まだ,一度も開催されてはいない。しかも,政府も国民も熱烈にオリンピック開催に情熱を傾けているという(IOC調査)。ここがポイントだ。開催国の国民が熱望していることが,まずは第一優先事項だ。あとは,開催国としての管理・運営能力の問題で,この条件は満たされていればそれでいい,という第二優先事項だ。国民の「熱望」という点で,東京は失格である。オリンピック開催に賛成する都民が50%に満たないのだから。
マドリードも,すでに,3回連続して手を挙げている。しかも,前回は,東京はマドリードに負けている。今回も事情はそれほど変わってはいないので,東京がマドリードに勝てる可能性はほとんどない。しかも,東京は,住民の支持が低いだけではなく,電力供給は大丈夫かとクギまで刺されている。(このクギが問題だ。なぜなら,IOCは原発を再稼働させて電力を供給せよ,と言っているのに等しいからだ。IOC委員会のメンバーというのはそういう人たちの集団なのだということを銘記しておこう。)
表立って議論はされていないようだが,裏では,放射能汚染は大丈夫かと心配するむきは少なくないと聞いている。ヨーロッパ人の多くは放射能汚染に過剰に反応する。それは実際に,チェルノブイリ事故のときにウィーンで直接,経験してわかっている。それはそれは徹底したものだった。このことは,また,いつか書くことにしよう。
まあ,いずれにしても「3・11」を通過したいま,日本からオリンピック招致の手を挙げるのはいかがなものかとわたしは考える。その前に,もっともっと,真剣に取り組まなければならない課題が山積みだ。そこをいかにして通過するか,日本国民に課せられた課題は重く,大きい。これらの問題をいかにしてクリアするか,そのことが先決ではないか。
それを忘れさせるための,つまり,国民の「思考停止」をさらに前進させるための,とんでもない仕掛けがオリンピック招致運動だということを,わたしたちはこころの奥深くに銘記しなくてはならない。
と同時に,オリンピックで金儲けをしようとしている輩がだれであるかも,しっかりと眼を見張っていくことにしよう。
以上が,この時点でのわたしの所感である。
ご意見をお聞かせください。
非生産的な意見でないかぎり,コメントはすべて公開するつもりです。
五つの候補都市のうち,ドーハ(カタール)とバクー(アゼルバイジャン)が第一次選考会で落選して,イスタンブール(トルコ),マドリード(スペイン),そして東京の3都市が通過した。
東京新聞も,昨日(24日)の夕刊トップで記事を書いている。東京都民のための新聞という立場からすれば当然のことではある。しかし,脱原発依存をかかげている新聞社としては,やや,腰が軽すぎはしないだろうか。第一に,東京都民の半数以上がオリンピック招致に賛成していない(IOC調査による),という事実をもっとしっかりと受け止めるべきではないか。そして,そういう背景について,つまり批判的な意見があるということについて,ほんの少しだけでもいい,書いておくべきではなかったか。東京新聞のこんごの奮起を促したい。
で,ここからは,わたしの意見。原発推進運動とオリンピック促進運動とは表裏の関係にあって,まったく同じ構造をしている。このことについては,すでに,このブログでも書いてきた。オリンピックという平和運動は,原発安全神話と同じで,まったくの「みせかけ」にすぎない。嘘で固めたでっち上げにすぎない。ということが,わたしの理解のなかではっきりした以上,オリンピック・ムーブメントには協力できない。むしろ,反対である。原発推進と同じように。
その根拠については,これから折にふれ,このブログでもできるだけわかりやすく書いていこうと思っている。一点だけ触れておけば,今夏のロンドン大会では,軍隊と警察,合わせて2万人以上を警備に当てると発表されている。それほどに「敵視」されるスポーツの祭典とはなにか,ということだ。ここではこれ以上の話は,ひとまず措くとして,第一次審査を通過した現時点での,わたしの所感を述べておくことにしよう。
もし,オリンピック・ムーブメントが,5大陸(五輪)を結ぶ全世界の民族の祭典を目指すのであるなら,次回は,イスタンブール(トルコ)で決定である。基本的な条件をクリアしているということが第一次審査で明らかになったのだから,2回目開催を目指す東京もマドリードも,辞退すべきだ。それでもなお,第二次審査に向けて運動を展開すると言っている。そんなカネを使わないで,そのつぎに回せばいい。カネの無駄遣いだ。IOC委員がまともな人間で多数を占めていれば,最終選考で東京が選ばれる可能性はない。
たとえば,イスタンブールはすでに5回も連続して手を挙げているのに落選つづきだ。そして,まだ,一度も開催されてはいない。しかも,政府も国民も熱烈にオリンピック開催に情熱を傾けているという(IOC調査)。ここがポイントだ。開催国の国民が熱望していることが,まずは第一優先事項だ。あとは,開催国としての管理・運営能力の問題で,この条件は満たされていればそれでいい,という第二優先事項だ。国民の「熱望」という点で,東京は失格である。オリンピック開催に賛成する都民が50%に満たないのだから。
マドリードも,すでに,3回連続して手を挙げている。しかも,前回は,東京はマドリードに負けている。今回も事情はそれほど変わってはいないので,東京がマドリードに勝てる可能性はほとんどない。しかも,東京は,住民の支持が低いだけではなく,電力供給は大丈夫かとクギまで刺されている。(このクギが問題だ。なぜなら,IOCは原発を再稼働させて電力を供給せよ,と言っているのに等しいからだ。IOC委員会のメンバーというのはそういう人たちの集団なのだということを銘記しておこう。)
表立って議論はされていないようだが,裏では,放射能汚染は大丈夫かと心配するむきは少なくないと聞いている。ヨーロッパ人の多くは放射能汚染に過剰に反応する。それは実際に,チェルノブイリ事故のときにウィーンで直接,経験してわかっている。それはそれは徹底したものだった。このことは,また,いつか書くことにしよう。
まあ,いずれにしても「3・11」を通過したいま,日本からオリンピック招致の手を挙げるのはいかがなものかとわたしは考える。その前に,もっともっと,真剣に取り組まなければならない課題が山積みだ。そこをいかにして通過するか,日本国民に課せられた課題は重く,大きい。これらの問題をいかにしてクリアするか,そのことが先決ではないか。
それを忘れさせるための,つまり,国民の「思考停止」をさらに前進させるための,とんでもない仕掛けがオリンピック招致運動だということを,わたしたちはこころの奥深くに銘記しなくてはならない。
と同時に,オリンピックで金儲けをしようとしている輩がだれであるかも,しっかりと眼を見張っていくことにしよう。
以上が,この時点でのわたしの所感である。
ご意見をお聞かせください。
非生産的な意見でないかぎり,コメントはすべて公開するつもりです。
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