タレントの猫ひろしさん。本名・滝崎邦明さん。34歳。
報道は,お笑い芸人の猫ひろしとして,上から目線の,しかも「いじり」の入ったものが多かった。だから,読んでいて不快なものが多かった。
たしかに,マラソンを走る前もあとも,テレビ・カメラが回ると,わざわざ「ニャー」と鳴いてみせた。お笑いタレントとしてのサービスだ。あるいは,売り込みでもある。が,フル・マラソンを走るということは,単に「ニャー」と鳴くだけの才能では不可能なことは,だれも知っている。しかし,報道は冷たく「上から目線」でいじりまくった。
フル・マラソンを走る力をわがものとするために,滝崎邦明さんは,これまで,どれだけの努力を積み重ねてきたことか。そして,なにがなんでもオリンピックで走りたい,という子どものころからの夢の実現に向けて全力を傾けてきた。そして,職業としてお笑いタレントの道を歩みはじめたが,もう一人の滝崎邦明さんはいつもまでもマラソンに夢を託してきた。
いろいろとルール上の問題がないとは言わないが,とにもかくにも,カンボジア国籍を取得して,代表選手選抜のレースを走り,カンボジア陸上競技連盟は,カンボジア代表のマラソン・ランナーとして滝崎邦明さんを内定した。この間のことが,なにかと取り沙汰されたが,きちんとした取材にもとづく根拠のある報道は,ほんとうに少なかった。が,圧倒的な情報量によって多くの日本人は「洗脳」されてしまって,「猫ひろし」はなにをやってんだ,というバッシングに流されてしまった。悪しきポビュリズムを煽ったのは,レベルの低い報道各社だ(いまの日本人の多くは,すべて,この構造によっていいように振り回されている。困ったものだ)。
根がまじめな滝崎邦明さんは,夢の実現のために可能なことはすべてチャレンジしてきた。そうした努力の結果として,ようやくカンボジア代表の切符を手に入れることができた。滝崎さんとしては,それだけが真実。
そこに割って入ってきたのは,国際陸上競技連盟だ。最後は,「ルール」の解釈の問題となった。ここは,滝崎さんはスポーツマンらしく,残念だが,仕方がない,と割り切った。川内選手のときのような「爽やかさ」が印象に残った。これでいいのだ。立派なものだ。
「毎日30~35キロのトレーニングを積んでいたので悔しい。本当に残念に思っています」と神妙な表情で話し,今後の活動については「マラソンを中心としたカンボジアのスポーツの発展に貢献したい」と意気込みを語った,と5月13日の東京新聞の「脱衣室」のコラムで写真入りで紹介されている。スーツ姿の滝崎さんがマイクを前にした,素の顔がアップになっている。いつもの「猫」さんではなく,まじめな青年の顔になっている。
馬鹿げた報道の「猫騒動」も一件落着。
今回,繰り広げられた,これみよがしのいい加減な報道だけは,止めてほしい。
国民を愚民化するだけのことでしかない。
なんでもかんでも面白おかしくすればいいという問題ではない。
そこには限度がある。
報道は,お笑い芸人の猫ひろしとして,上から目線の,しかも「いじり」の入ったものが多かった。だから,読んでいて不快なものが多かった。
たしかに,マラソンを走る前もあとも,テレビ・カメラが回ると,わざわざ「ニャー」と鳴いてみせた。お笑いタレントとしてのサービスだ。あるいは,売り込みでもある。が,フル・マラソンを走るということは,単に「ニャー」と鳴くだけの才能では不可能なことは,だれも知っている。しかし,報道は冷たく「上から目線」でいじりまくった。
フル・マラソンを走る力をわがものとするために,滝崎邦明さんは,これまで,どれだけの努力を積み重ねてきたことか。そして,なにがなんでもオリンピックで走りたい,という子どものころからの夢の実現に向けて全力を傾けてきた。そして,職業としてお笑いタレントの道を歩みはじめたが,もう一人の滝崎邦明さんはいつもまでもマラソンに夢を託してきた。
いろいろとルール上の問題がないとは言わないが,とにもかくにも,カンボジア国籍を取得して,代表選手選抜のレースを走り,カンボジア陸上競技連盟は,カンボジア代表のマラソン・ランナーとして滝崎邦明さんを内定した。この間のことが,なにかと取り沙汰されたが,きちんとした取材にもとづく根拠のある報道は,ほんとうに少なかった。が,圧倒的な情報量によって多くの日本人は「洗脳」されてしまって,「猫ひろし」はなにをやってんだ,というバッシングに流されてしまった。悪しきポビュリズムを煽ったのは,レベルの低い報道各社だ(いまの日本人の多くは,すべて,この構造によっていいように振り回されている。困ったものだ)。
根がまじめな滝崎邦明さんは,夢の実現のために可能なことはすべてチャレンジしてきた。そうした努力の結果として,ようやくカンボジア代表の切符を手に入れることができた。滝崎さんとしては,それだけが真実。
そこに割って入ってきたのは,国際陸上競技連盟だ。最後は,「ルール」の解釈の問題となった。ここは,滝崎さんはスポーツマンらしく,残念だが,仕方がない,と割り切った。川内選手のときのような「爽やかさ」が印象に残った。これでいいのだ。立派なものだ。
「毎日30~35キロのトレーニングを積んでいたので悔しい。本当に残念に思っています」と神妙な表情で話し,今後の活動については「マラソンを中心としたカンボジアのスポーツの発展に貢献したい」と意気込みを語った,と5月13日の東京新聞の「脱衣室」のコラムで写真入りで紹介されている。スーツ姿の滝崎さんがマイクを前にした,素の顔がアップになっている。いつもの「猫」さんではなく,まじめな青年の顔になっている。
馬鹿げた報道の「猫騒動」も一件落着。
今回,繰り広げられた,これみよがしのいい加減な報道だけは,止めてほしい。
国民を愚民化するだけのことでしかない。
なんでもかんでも面白おかしくすればいいという問題ではない。
そこには限度がある。
1 件のコメント:
猫ひろしさんの報道、私も同様に違和感がありました。
同様のタレントの女子ボクシング、山崎静子さんとの報道の違いはなんなのかと
さて天皇と皇后がイギリスに訪問するようですが、この報道も違和感があります。
日本語の用法としてです。
日本語の敬語は、韓国・朝鮮語の敬語と異なり、相対敬語です。
韓国・朝鮮語では、身内のことを外部の人に話すときでも敬語を使います(絶対敬語)。
たとえば取引先から自社の社長に電話が掛かってきたときの社員は「社長様はいま外出していらっしゃいます」、知り合いから父母に電話が掛かってきたときの子供の応対も「お父様はいま外出していらっしゃいます」が、韓国・朝鮮語の正しい敬語の使い方になります。
日本語の敬語は、身内のことを外部に話すときは敬語は使いません。
しかし皇室報道になると、「天皇皇后両陛下がイギリス女王の即位××年・・・」と、韓国・朝鮮語と同じく絶対敬語になっております。
日本語の正しい用法は「天皇皇后がイギリス女王陛下の即位××年・・・」となるはずです。
地下鉄サリン事件の直後ぐらいに同じような報道(天皇皇后のオランダ訪問)がされていたときに、各新聞社に質問をしたことがありましたがまともな回答はかえってきませんでした。
相対敬語自体、絶対敬語と異なり、ブレがあるわけですが、さらに皇室報道になると敬語にブレがでるのが日本語です。
律令制を導入するも、律令にない「令外官」を制定するのがわが国の伝統。
原理原則は無視です。
こうした思考から相対敬語になったのか、相対敬語を使うから原理原則をないがしろにするのかわかりませんが、猫ひろしさんと山崎静子さんの報道の違いというのもこのあたりに根源があるように思えます。
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