2012年5月13日日曜日

白鵬が3敗目を喫す。わたしの不安が的中。さあ,どうする?

相撲は心技体のバランスが大事という。そのバランスがくずれると,いかに強い横綱といえどもいとも簡単に負けてしまう。これが相撲というものの恐ろしさだ。

今場所の白鵬は,場所がはじまる前から,不安要素をかかえこんでいた。しかも,とてつもない爆弾を。一応,表面的には「和解」したことになっているが,そうは簡単には納まるわけがない。宮城野親方との確執である。詳しいことは,前に,このブログで書いているので,そちらを参照してほしい。

部屋の親方と真っ正面から意見の対立でぶつかって,部屋の連合稽古にも無断で欠席し,別の部屋に出稽古に行った。これは,覚悟の行動である。朝青龍もそうだったが,親方と一度スレ違ってしまうと,もう,ほとんど修復不可能だ。モンゴルからやってきて,異文化のど真ん中に身をおいて,しかも横綱まで駆け上がった力士の「心」は尋常一様ではない。表面はとりつくろっても,内心は穏やかではない。たぶん,白鵬は親方のとった行動が許せないのだろう。

この確執は,こんごも長くつづくことになりそうだ。だとしたら,白鵬のこんごの力士生命にも大きな影響を及ぼしかねない。だれかが,それこそ,むかしであればタニマチが,それも双葉山についていたタニマチのような人物が,間に入ってきちんとけじめをつけないことには,どうにもならないだろう。このままでは,白鵬は引退に向かって一直線だ。

中日を前にして「3敗目」。これは横綱になって初めての経験である。しかも,今場所は6大関がしのぎを削っている。後半戦に入れば,上位の7人が,お互いに星のつぶし合いになる。そこを生き延びるのは容易ではない。いったい,だれが,無傷で駆け抜けていくのだろうか。それが今場所の大いなる楽しみだ。

今場所の白鵬は,からだに切れがない。動きが悪い。厳しさがない。つまり,集中力を欠いている。こころにわだかまりがあるかぎり,土俵に集中するには無理がある。心技体の「心」が不安定なのだ。そうなると,もののみごとに「技」に影響がでる。つまり,厳しい攻めができなくなる。これまでの白鵬は,相手のちょっとしたスキをみごとに攻めて,自分有利の体勢をつくる。今場所は,それが逆になってしまっている。相手にスキをつけ込まれている。

その典型が,初日の安美錦戦だ。いつもの白鵬なら,相手に自由に動かせない間合いで攻めたてるのに,この日はほんのわずかながら間があいてしまった。そこを,ベテラン安美錦はみごとに突いた。相手のでてくるところを,うまく交わして,体を入れ換える。かれの得意技でもある。それにまんまとはまってしまった。白鵬としてはとても珍しい負け方である。

昨日の豊響の小手投げも同じだ。もっと体を寄せて密着していたら,あの小手投げは食わなかっただろう。今日の相撲は完敗である。いいところがひとつもなかった。どこか相撲感が狂ってしまったのではないか,と思われるような後手,後手にまわる下手な相撲になっている。このままでは,後半戦が思いやられる。

問題は「心」だ。一刻も早く宮城野親方(元竹葉山)とのスレ違いを解消することだ。これを放置しておくと,朝青龍のときと同じことが起きてしまう。とても心配である。

と,ここまで書いたところで,NHKのETV特集「テレビが見つめた沖縄・アーカイブ映像からたどる本土復帰40年」がはじまった。

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