2014年6月12日木曜日

早くも「国立競技場解体工事入札不調」とか。お先,真っ暗。

 もうかなり前から新国立競技場の建造を引き受けるゼネコンはいないのではないか,という噂が流れていました。それは繰り返すまでもなく資材不足と人材不足のために,入札時のコストで完成させることは不可能だというわけです。しかも,新国立競技場のような巨大な建造物を完成させるには4年も5年もかかるといわれています。その間にも,資材も人材も不足し,経費も高騰していくのは目にみえているわけです。

 だから,ゼネコンの腰が引けている・・・と。

 と思っていたら,今朝の東京新聞は以下のように報じています。短い記事ですので,全文引用しておきましょう。

 「国立競技場の解体入札不調」
 「工事遅れも」
 2020年東京五輪・パラリンピックの主会場として改築される東京・国立競技場の解体工事の一般競争入札が,予定価格を上回ったため不調に終わっていたことが11日,分かった。
 国立競技場を運営する日本スポーツ振興センター(JSC)が9日付で公表した。7月に開始予定だった取り壊し作業が遅れる可能性が高まった。
 東日本大震災の復興工事などで工事費は高騰の傾向にあり,JSC関係者は「7月のできるだけ早い時期に再入札を図る見通し。条件を若干緩和してより広い事業者を対象にすることも考える」と話した。

 この記事から透けてみえてくることは,大手ゼネコンに限定して「一般競争入札」をしたが,いずれも「予定価格を上回った」ため,落札にいたらなかったこと。だから,もう少し「予定価格」を引き上げ,業者の枠も広げて,もう一度,再入札をする,ということ。

 もうすでにして,JSCの試算にもとづく予定価格とゼネコンの現実的な対応から割り出される予定価格との間には大きな誤差が生じている,ということでしょう。この誤差は年々大きくなっていくはず。だとしたら,JSCが,当初計算した予定価格は,とうのむかしに役に立たない数字になってしまっているということでしょう。

 東京都が予定している新築の会場建築費ですら,すでに倍増していることは昨日(11日)のブログに書いたとおりです。その高騰の速さは尋常でない現場の資材・人材不足が風雲急を告げていることのなによりの証拠。この流れはますます加速するとまでいわれています。いよいよ,外国人労働者の大量の雇用が視野に入ってきています。となると,現場はまたたいへんな負荷を背負うことになるでしょう。

 この調子では,なんとか苦労して国立競技場の解体は終わったものの,新国立競技場の建造の目処は立たない,などという事態も起こりかねません。

 この際,東京五輪開催計画の全体にわたって,抜本的な見直しをすることが喫緊の課題であることが,もののみごとに浮かび上がってきました。

 さて,どうする? 東京都,JSC,文部科学省,JOC,組織委員会,などなど・・・・・。

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