2015年2月14日土曜日

『スポートロジイ』第3号の編集にとりかかる。特集はアフリカ・ダン族のすもう「ゴン」と太極拳。

 ようやく元気がでてきました。でも,以前のフットワークに比べれば半分くらいです。が,それでもまわりにみえる景色はとてもよくなってきました。ここでこの勢いに乗らないとタイミングを逸してしまうと考えました。一歩だけですが,前に出よう・・・・と。

 思い返せば,去年のいまごろは入院生活の真っ只中。典型的な古典的胃潰瘍という初診から一転して,癌の疑いがでて,組織検査。一回目は「白」。ほっとしていたら,もう一度,組織検査をやるという。こんどは7個とって5つが「黒」。最終的な判定はステージ「3-C」。胃の三分の二を切除する手術について,執刀医から詳しい説明を受ける。何枚もの承諾書にサインをして,17日に手術。経過はすこぶるよくて27日には退院。その間,窓からみえる景色が真っ白になるほどの降雪が2回。その景色を不思議な気分で眺めていましたが,わたしの脳裏に閃いていた直観(予感)は「治る」というものでした。なんの根拠もなく,ただ「治る」と。あるとしたら,からだの「芯」の部分に感じる「力」のようなものでした。

 予定していた『スポートロジイ』第3号の編集・刊行も,遅ればせながら,なんとかとりかかれるのではないか,とそのタイミングを計っていました。

 日に日に元気がでてきて,予想以上の回復ぶりで,自分でも気分をよくしていました。が,5月からはじめた抗ガン剤治療が,わたしのからだには合わなかったようです。これで,折角,元気になってきたからだが相当のダメージを受けることになり,苦しむことになりました。もっとも気がかりだったのは,からだの「芯」の部分の「力」が,どんどん低下していくことでした。これはよくない傾向だ,と。かなり細かく自分のからだの状態を観察しながら,様子を伺っていました。が,抗ガン剤治療を5カ月つづけたところで 決断をしました。これ以上つづけては駄目だ,と。そこで,主治医にはQOLを選択したいと相談し,いまにいたっています。

 ことしの1月中旬くらいから,からだの「芯」の部分の「力」にしっかりとした手応えのようなものを徐々に感ずるようになりました。よし,これでいける,と。2月に入ったところで,丸一年,遅れをとってしまった『スポートロジイ』第3号の編集・刊行にとりかかろう,と腹を決めました。そして,いま,すでに届いている原稿を整理しながら,できあがった原稿から順番に出版社に送信をはじめたところです。あと少しで,原稿の整理が終わります。予定している原稿を全部,出版社に送信することができれば,こんどは「目次」づくりです。そして,「刊行のことば」と「編集後記」を書けば,初校ゲラ作成に入ることになります。

 いまのところの見通しでは,特集は2本。1本は,真島一郎さんの論考を中心にしたアフリカ・コートジボアールのダン族のすもう「ゴン」,もう1本は,劉志さんの「太極拳と道家思想」を中心とした「太極拳」です。

 この他の目玉は,西谷修さんの講演「デュピュイをどう読むか」の再録です。実際の講演録に徹底的に手を加えた素晴らしい読み物になっています。現代社会の根源的な問題を考える上での,きわめて示唆に富んだ内容になっていますので,ご期待ください。近代合理主義(あるいは,近代科学主義)という考え方が徹底して排除してきた「聖なるもの」との折り合いのつけ方こそが,いま,問われている,としみじみ感じます。デュピュイのいう「聖なるもの」をどう読み解くか,西谷さんの透徹したまなざしとその精緻な分析には,近代科学主義を超克していくための不思議な魔力のようなものさえ感じられます。ご期待ください。

 というようなわけで,このまま順調に編集作業が進展していけば,春にはなんとか刊行に漕ぎつけるのではないか,と楽しみにしています。また,そのつもりで頑張りたいとおもっています。

 取り急ぎ,近況のお知らせまで。
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