来年のことを言うと鬼が笑うという。大いに鬼に笑ってもらわねばならない話が出はじめるシーズンになった。ことしもあと一カ月余。なんとも憂鬱な日々を送っている間に,もう,年末を迎えようとしている。早いものだ。「3・11」が,つい,この間のように思い出されるというのに・・・。
それでも,ことしの行事はつぎつぎに幕を引き,来年のスケジュールが気になってくる。毎年のことながら,せわしてい年の瀬の足音が聞こえはじめた。ことし,なんとしても実現させようと思っていた西谷修さんの講演を,わたしの不注意で逃してしまった。それは,ナオミ・クラインの衝撃的な本『ショック・ドクトリン』について,西谷さんが『世界』の7月号に書かれた論考を読んで以来,ずっと,温めていたことだ。そして,内々に,西谷さんの了解もえていた。あとは,日程をどうするかでもたついていた。その間に,チャンスの神様は逃げて行ってしまった。
こんなことがあったので,「ISC・21」の次回の東京例会には,なにがなんでも実現させようと準備に入った。うまくいくときというのは,こういうものか,という典型のようにして,とんとん拍子に話は進み,今日,その計画がまとまった。ので,その予告を兼ねて,このブログに書き記しておこうと思う。つまり,不動の計画にするために。
まずは,アウト・ラインを。
日時:2012年3月19日(月)13:00~18:00
場所:青山学院大学・総研ビル3階第11会議室
プログラム
第一部:情報交換(ブック・レヴュー,フィールド・ワーク,研究活動,など)
第二部:研究発表(未定・これから募集)
第三部:西谷修講演「ナオミ・クライン著『ショック・ドクトリン』を読み解く」(仮題)
※終了後,懇親会を予定。
参加される方は,『世界』の西谷論文を読んでおくこと,そして,ナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』を読んでおくこと。これが条件。そうでない方はご遠慮ください。
なぜなら,講演後に,たっぷり時間をとって,質疑応答に当てたいと考えているため。この質疑応答を内実のあるものにするためには,聴講するわれわれの方の「読み込み」が不可欠である。西谷さんの深い「読み」を引き出すためには,われわれの方からのいい意味での「挑発」が必要だ。これがうまく噛み合えば,予想外の展開を生み,われわれはもちろんのこと,西谷さんにも喜んでもらえる,というものだ。
これも予告しておけば,少なくとも,『ショック・ドクトリン』の序章だけは,何回もくり返し読んでおいていただきたい。それと同時に,序章に対応する終章もまた,何回も熟読しておく必要があろう。その他の本論は,それぞれの事例を取り上げた各論に相当する。こちらも迫力満点なので,たぶん,ついつい釣られて読み込むことになると思う。それほどの牽引力をもっている。つまりは,全部,読んでください,ということ。
内容の議論は,ここでは控えておくことにしよう。
それにしても,「現代」という時代を読み解くために,そして,「いま」わたしたちが立たされているリアルな現実を確認するためにも,この『ショック・ドクトリン』を避けてとおることはできないだろう。いま,もはや,とどめようがないほうどの勢いで進行していく「グローバリゼーション」という名の「ツナミ」に対して,どのように対応していかなくてはならないのか,わたしたちは,いま,とてつもなく大きな課題を与えられている。そのことを,ナオミ・クラインの本はわたしたちに強く迫ってくる。
われわれの問題領域でいえば,それは「スポーツのグローバリゼーション」ということだ。来年の8月には,第2回日本・バスク国際セミナーが神戸で開催される。そこでのメイン・テーマは「伝統スポーツとグローバリゼーション」である。もう,すでに,何回にもわたって,スポーツのグローバリゼーションの問題は取り上げられ,議論を積み上げてきている。
しかし,これまでのグローバリゼーションの議論を根底からひっくり返すほどの,根源的な問い直しが,ナオミ・クラインによって提示されたのだ。ここを,どのように乗り越えていくのかによって,来年の日本・バスク国際セミナーのあり方も変わってくる。できることなら,バスクの研究者たちにも,この本を読んできてもらうと面白くなる。いや,ぜひ,読んできてもらって,侃々諤々の議論を展開したいものだ。
幸いなことに,西谷さんも,この日本・バスク国際セミナーに参加してくださるという。それではということで,セミナーの最後のまとめの講演をしていただこうと,計画を練っている(竹谷和之さん担当)。
というようなわけで,西谷修さんの講演を確保することができた,ということの意味は,いまのわたしたちにとってはきわめて大きい。ここを手がかりにして,わたしたち自身も大いに飛躍し,大きな視野に立つスポーツ史研究やスポーツ文化論を展開していくことを目指したい。
この,西谷さんの講演は,原則として一般に公開される。だから,聞きたい方はどうぞ,いまから,日程の調整をして参加していただきたい。ただし,できることなら,わたしの方に一報を入れてくれるとありがたい。
とりあえず,乞う,ご期待!
それでも,ことしの行事はつぎつぎに幕を引き,来年のスケジュールが気になってくる。毎年のことながら,せわしてい年の瀬の足音が聞こえはじめた。ことし,なんとしても実現させようと思っていた西谷修さんの講演を,わたしの不注意で逃してしまった。それは,ナオミ・クラインの衝撃的な本『ショック・ドクトリン』について,西谷さんが『世界』の7月号に書かれた論考を読んで以来,ずっと,温めていたことだ。そして,内々に,西谷さんの了解もえていた。あとは,日程をどうするかでもたついていた。その間に,チャンスの神様は逃げて行ってしまった。
こんなことがあったので,「ISC・21」の次回の東京例会には,なにがなんでも実現させようと準備に入った。うまくいくときというのは,こういうものか,という典型のようにして,とんとん拍子に話は進み,今日,その計画がまとまった。ので,その予告を兼ねて,このブログに書き記しておこうと思う。つまり,不動の計画にするために。
まずは,アウト・ラインを。
日時:2012年3月19日(月)13:00~18:00
場所:青山学院大学・総研ビル3階第11会議室
プログラム
第一部:情報交換(ブック・レヴュー,フィールド・ワーク,研究活動,など)
第二部:研究発表(未定・これから募集)
第三部:西谷修講演「ナオミ・クライン著『ショック・ドクトリン』を読み解く」(仮題)
※終了後,懇親会を予定。
参加される方は,『世界』の西谷論文を読んでおくこと,そして,ナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』を読んでおくこと。これが条件。そうでない方はご遠慮ください。
なぜなら,講演後に,たっぷり時間をとって,質疑応答に当てたいと考えているため。この質疑応答を内実のあるものにするためには,聴講するわれわれの方の「読み込み」が不可欠である。西谷さんの深い「読み」を引き出すためには,われわれの方からのいい意味での「挑発」が必要だ。これがうまく噛み合えば,予想外の展開を生み,われわれはもちろんのこと,西谷さんにも喜んでもらえる,というものだ。
これも予告しておけば,少なくとも,『ショック・ドクトリン』の序章だけは,何回もくり返し読んでおいていただきたい。それと同時に,序章に対応する終章もまた,何回も熟読しておく必要があろう。その他の本論は,それぞれの事例を取り上げた各論に相当する。こちらも迫力満点なので,たぶん,ついつい釣られて読み込むことになると思う。それほどの牽引力をもっている。つまりは,全部,読んでください,ということ。
内容の議論は,ここでは控えておくことにしよう。
それにしても,「現代」という時代を読み解くために,そして,「いま」わたしたちが立たされているリアルな現実を確認するためにも,この『ショック・ドクトリン』を避けてとおることはできないだろう。いま,もはや,とどめようがないほうどの勢いで進行していく「グローバリゼーション」という名の「ツナミ」に対して,どのように対応していかなくてはならないのか,わたしたちは,いま,とてつもなく大きな課題を与えられている。そのことを,ナオミ・クラインの本はわたしたちに強く迫ってくる。
われわれの問題領域でいえば,それは「スポーツのグローバリゼーション」ということだ。来年の8月には,第2回日本・バスク国際セミナーが神戸で開催される。そこでのメイン・テーマは「伝統スポーツとグローバリゼーション」である。もう,すでに,何回にもわたって,スポーツのグローバリゼーションの問題は取り上げられ,議論を積み上げてきている。
しかし,これまでのグローバリゼーションの議論を根底からひっくり返すほどの,根源的な問い直しが,ナオミ・クラインによって提示されたのだ。ここを,どのように乗り越えていくのかによって,来年の日本・バスク国際セミナーのあり方も変わってくる。できることなら,バスクの研究者たちにも,この本を読んできてもらうと面白くなる。いや,ぜひ,読んできてもらって,侃々諤々の議論を展開したいものだ。
幸いなことに,西谷さんも,この日本・バスク国際セミナーに参加してくださるという。それではということで,セミナーの最後のまとめの講演をしていただこうと,計画を練っている(竹谷和之さん担当)。
というようなわけで,西谷修さんの講演を確保することができた,ということの意味は,いまのわたしたちにとってはきわめて大きい。ここを手がかりにして,わたしたち自身も大いに飛躍し,大きな視野に立つスポーツ史研究やスポーツ文化論を展開していくことを目指したい。
この,西谷さんの講演は,原則として一般に公開される。だから,聞きたい方はどうぞ,いまから,日程の調整をして参加していただきたい。ただし,できることなら,わたしの方に一報を入れてくれるとありがたい。
とりあえず,乞う,ご期待!
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