「ISC・21」(21世紀スポーツ文化研究所)のホームページの掲示板に掲載してありましたように,第72回「ISC・21」5月犬山例会(世話人・船井廣則)が開催され,一泊して帰ってきました。今回は,参加者の人数こそ少なかったですが,内容のある,とても充実した研究会となりました。なお,この研究会は参加自由ですので,だれでも参加できます。興味のある方はホームページの掲示板をチェックしていて,ご都合のいいときにご参加ください。大歓迎いたします。
今回のブログでは,研究会で話題になったトピックスのいくつかをご紹介しておきたいとおもいます。ほんとうは全部,ご紹介できるといいのですが・・・・。そうもいきませんので,わたしのこころを強く動かしたプレゼンテーションに限定します。
Oさんは,イ・ソンギルという日帝時代に大活躍した韓国の柔道家を追っています。そのためにハングルを勉強し,直接,韓国に行ってイ・ソンギルに関する資料集めをしています。ところが,日帝時代の資料はほとんどが焼却されていて残ってはいません。それで,とうとうイ・ソンギルの親族を探して,直接,取材をしようと試みます。が,イ・ソンギルが勤務していた春川の警察署まで訪ねていきます。とても丁寧に応対をしてくれるものの,イ・ソンギルの記録となると,ほとんどなにも残っていないのが現状だそうです。イ・ソンギルの卒業した学校を訪ねてみても,個人情報に関することなので,と言って急に口が重くなってしまうということです。あとは,回数を重ねて,何回も訪問し,心情的に接近するしかない,とOさんも覚悟を決めています。もっとも近い燐国であるにもかかわらず,その壁を突破するのは,なかなか容易ではありません。それを覚悟で,この研究に取り組んでいるOさんの姿勢に敬意を表したいとおもいます。
Mさんからは,長年,取り組んでいます竹内敏晴研究(この研究会の有志のメンバーとともに取り組んだ「竹内敏晴さんを囲む会」でのお話をまとめたもの)の第一次原稿を出版社に渡して,担当編集者との詰めの段階に入った,という報告がありました。できるだけ早く編集作業が進んで,単行本として世にでることを期待したいとおもいます。なお,『竹内敏晴選集』なる企画がF書店でいま進行しているとも聞いています。こちらと合わせて,わたしたちの仲間の手で竹内敏晴さんの本がでることは嬉しいことだとおもっています。
Tさんは,4月に行われた真島一郎さんの「力」──この空恐ろしきもの,というお話について,河童研究の立場からのコメントをしてくれました。西アフリカ・コートジヴォアール・ダン族の「すもう」で繰り広げられる「呪力」の世界と,日本の河童伝承にまつわる摩訶不思議な想像の世界との「接点」をさぐる,きわめてユニークなものでした。河童の属性のひとつである「呪力」が,どのような背景から生まれてくるのか,そして,いかなる意味をもつのか,と問いつつ,そこに見届けることのできる「力──この空恐ろしきもの」を提示しようとする,ぎりぎりのエッジに立つ思考をそこにみることができたようにおもいます。
Hさんの,日本のソフト・テニスの歴史として語られている定説のいくつかをとりあげ,その定説はほんとうに信じることができるのか,正しいといえるのだろうか,と疑問を投げかけます。そして,それらの定説をくつがえすための根拠をいくつか提示してくれました。とりわけ,ソフト・テニスの技術史的な視点からの提示される仮説のいくつかは,とても説得力のあるものでした。わたしが聞いているかぎり,テーマの立て方を工夫すれば,四つも五つもの論文が可能だな,とひらめきました。以前に研究ノートとして書かれた内容をさらに発展させたもので,これからさきの研究の成り行きがとても気になる,魅力的な内容でした。
このほかにも面白い話がいくつもありますが,とりあえず,今日のところはここまでとします。
次回の6月は奈良,7月は大阪を予定しています。
興味のある方は,どうぞ,お出かけください。
今回のブログでは,研究会で話題になったトピックスのいくつかをご紹介しておきたいとおもいます。ほんとうは全部,ご紹介できるといいのですが・・・・。そうもいきませんので,わたしのこころを強く動かしたプレゼンテーションに限定します。
Oさんは,イ・ソンギルという日帝時代に大活躍した韓国の柔道家を追っています。そのためにハングルを勉強し,直接,韓国に行ってイ・ソンギルに関する資料集めをしています。ところが,日帝時代の資料はほとんどが焼却されていて残ってはいません。それで,とうとうイ・ソンギルの親族を探して,直接,取材をしようと試みます。が,イ・ソンギルが勤務していた春川の警察署まで訪ねていきます。とても丁寧に応対をしてくれるものの,イ・ソンギルの記録となると,ほとんどなにも残っていないのが現状だそうです。イ・ソンギルの卒業した学校を訪ねてみても,個人情報に関することなので,と言って急に口が重くなってしまうということです。あとは,回数を重ねて,何回も訪問し,心情的に接近するしかない,とOさんも覚悟を決めています。もっとも近い燐国であるにもかかわらず,その壁を突破するのは,なかなか容易ではありません。それを覚悟で,この研究に取り組んでいるOさんの姿勢に敬意を表したいとおもいます。
Mさんからは,長年,取り組んでいます竹内敏晴研究(この研究会の有志のメンバーとともに取り組んだ「竹内敏晴さんを囲む会」でのお話をまとめたもの)の第一次原稿を出版社に渡して,担当編集者との詰めの段階に入った,という報告がありました。できるだけ早く編集作業が進んで,単行本として世にでることを期待したいとおもいます。なお,『竹内敏晴選集』なる企画がF書店でいま進行しているとも聞いています。こちらと合わせて,わたしたちの仲間の手で竹内敏晴さんの本がでることは嬉しいことだとおもっています。
Tさんは,4月に行われた真島一郎さんの「力」──この空恐ろしきもの,というお話について,河童研究の立場からのコメントをしてくれました。西アフリカ・コートジヴォアール・ダン族の「すもう」で繰り広げられる「呪力」の世界と,日本の河童伝承にまつわる摩訶不思議な想像の世界との「接点」をさぐる,きわめてユニークなものでした。河童の属性のひとつである「呪力」が,どのような背景から生まれてくるのか,そして,いかなる意味をもつのか,と問いつつ,そこに見届けることのできる「力──この空恐ろしきもの」を提示しようとする,ぎりぎりのエッジに立つ思考をそこにみることができたようにおもいます。
Hさんの,日本のソフト・テニスの歴史として語られている定説のいくつかをとりあげ,その定説はほんとうに信じることができるのか,正しいといえるのだろうか,と疑問を投げかけます。そして,それらの定説をくつがえすための根拠をいくつか提示してくれました。とりわけ,ソフト・テニスの技術史的な視点からの提示される仮説のいくつかは,とても説得力のあるものでした。わたしが聞いているかぎり,テーマの立て方を工夫すれば,四つも五つもの論文が可能だな,とひらめきました。以前に研究ノートとして書かれた内容をさらに発展させたもので,これからさきの研究の成り行きがとても気になる,魅力的な内容でした。
このほかにも面白い話がいくつもありますが,とりあえず,今日のところはここまでとします。
次回の6月は奈良,7月は大阪を予定しています。
興味のある方は,どうぞ,お出かけください。
0 件のコメント:
コメントを投稿