2013年5月16日木曜日

沖縄「本土復帰41年 高まる怒り」「琉球独立へ学会設立」(『東京新聞』)。

 昨日の5月15日は,沖縄の本土復帰41年を迎える記念の日だった。わたしはうっかりしていて忘れていた。今朝の『東京新聞』を読んで,はっと胸を突かれた。あー,そうだった,と。こちらの本土のメディアがほとんど触れていないので,わたしも忘却の波にさらわれていた。しかし,沖縄の『琉球新報』は大きく報道したという。たぶん,『沖縄タイムス』も同様に力を入れて報道しているのだろう。急いで,ネットで確認してみようと思う。

 ここでも,わたしたちは沖縄を切り捨てている。無意識のうちに。忘却という最悪の「暴力」によって。

 東京新聞によれば,この日(15日),二つの動きがあったという。
 ひとつは,「琉球民族独立総合研究学会」の設立。もうひとつは,「憲法改悪反対抗議集会」の開催である。

 沖縄独立運動は,40年以上前の本土復帰をめぐる議論のなかで大きく盛り上がったことがあった。その後,下火になっていたが,本土復帰をはたしたものの,最大の期待であり,希望であった「本土並み」の基地問題改善が裏切られ,「本土並み」はおろか,ますます事態が悪化する進みゆきを経験することになるにつれ,「琉球独立」の声が若者たちを中心にして次第に高まってきていた。このことは西谷修さんが深くかかわったNHKのETV特集でも,最後の結論のところで強調されていたことが記憶に残っている。そして,その後も,沖縄の頭越しに,しかも「日米地位協定」に縛られたまま,日米合意がなされていく現状に,とうとう我慢も限界に達し,さまざまな運動体が結成されつつある。その最新の動きが「琉球民族独立総合研究学会」である。

 記事によれば,以下のとおりである。以下,引用。
 琉球にルーツを持つ人々が独立を目指し,調査研究を進める「琉球民族独立総合研究学会」が15日,設立された。会の研究者らは,米軍基地問題を例に「沖縄の問題を解決するには独立しかない」と指摘。「独自の民族として,平和に生きる甘世(あまゆー)を」と,基地のない島を目指す。
 学会は「琉球の将来を決めることができるのは琉球民族だけ」という立場。琉球の島々に民族的ルーツを持つ人に限定して会員を募集。法律や歴史,言語の観点から独立に向けた議論をしていく。

 設立準備委員会の友知(ともち)政樹・沖縄国際大准教授は,米軍新型輸送機MV22オスプレイの強行配備などを例に「日本や米国の強制がくり返されている。学会設立は子どもたちの世代に対する責任でもある」と意義を話した。
 会の設立記念シンポジウムも宜野湾市内であった。リゾート開発の反対運動に取り組んできた西表をほりおこす会の石垣金星代表は,与那国への自衛隊配備に触れ,本土復帰で幸せになれるというのは幻想だったと指摘。「これ以上我慢してはいけない。独立の道を開かなければ」。

 以上は引用文。

 わたしたちは沖縄についての思考を停止したまま,のほほんと過ごしているが,事態は急展開のきざしを呈しはじめているかにみえる。この学会をふくめ,こんごの推移を見守っていきたいと思う。そして,ヤマトの人間にできることはなにか,を真剣に考えていきたい思う。わたしたちは重い負債を背負い込んでいるのだから。それも長年にわたって。

 もうひとつの動きは,「憲法改悪反対抗議集会」。こちらも新聞から引いておく。
 沖縄の米軍基地負担問題に抗議する集会が15日,那覇市の与儀公園を起点に行われた。土砂降りだった41年前の復帰の日を思わせる豪雨の中,約150人が参加した。「憲法改悪反対」「オスプレイ撤去」を訴え,改憲を進める安倍晋三首相や,在沖縄米軍に風俗業者を活用することを提案した橋下徹大阪市長に抗議の声を上げた。

 わたしたちは,こうした沖縄の人びとの抗議行動や声を受けて,どんなにささやかな行動や声でもいい,なんらかの意思表示をしていかなくては・・・・とひとり悶々としながら,このブログを書いている。そして,みずから書いた内容に対する責任を感じながら,さらにみずからの思考を深めようと思う。そして,行動へ,とつなげていきたい。

 少なくとも,いまや慢性病と化しつつある「思考停止」症候群や「自発的隷従」症の軛から脱出しようと,みずからに言い聞かせながら・・・・。


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