2013年5月30日木曜日

閣僚に沖縄の「かりゆし」を着せる,わたしが決めた,と安倍首相。なるほど,憲法改悪(軍国主義化)後の予備練習ですか。

  日本政府の中枢をになう閣僚たちが,首相の一声で,沖縄の「かりゆし」を着ることになるそうな。なるほど,いまから号令一下,全国民を意のままに動かす予備練習ですか。その練習のために,わざわざ沖縄の「かりゆし」をもちだすとは・・・・。沖縄の人びとのこころを逆撫でにし,踏みにじるのもはなはだしい愚挙だ。これまで,あれほど沖縄の人びとの声を無視して,日米地位協定のまま米軍基地を押しつけ,なにひとつ沖縄の人びとの民意をくみ取ろうともしなかった日本政府。その閣僚たちが沖縄の「かりゆし」を着るという。いったい,どんな神経の持ち主たちなんだろうか,と怒りが込み上げてくる。こんなことまでして沖縄の人びとのこころを冒涜するのか,と。

 「かりゆし」を着れば,沖縄の人びとと仲良しになれる,とでも考えているのだろうか。もっとも,あの単細胞の安倍君は子どものままの純朴なこころでそうおもっているかもしれない。だとしたら,そこが恐ろしい。それは大違いだ。むしろ,沖縄の人びとの神経を逆撫でするような,見せしめにしかならない,ということをこそ知るべし。まったくの逆効果だ。

 沖縄に観光旅行に行った一般の庶民が,思い出の記念に買ってきて,余暇気分を楽しみながら着るのとはわけが違う。

 JTBの窓口で接客をする職員が,かりゆしを着ているのは,職業柄,それとなく旅情を誘っていいものだ。そこはかとなく異国情緒をただよわせ,旅情を誘う。そして,ことしの夏休みは沖縄に行ってみようかなと考えたりもする。わたしも娘が沖縄に嫁いだご縁もあって,かりゆしを何着かもっているし,暑い日差しが照りつけるようになると,沖縄の光景を思い出し,しばしば愛用している。そして,つかのまの沖縄を楽しんでいる。

 しかし,日本政府の閣僚につかのまのかりゆし着用は似合わない。それどころか,正真正銘の詐欺師にみえてくる。沖縄のことを本気で考えるのなら,一年中,かりゆしで過ごしなさい。沖縄県知事の仲井真さんのように。冬用のかりゆしもあります。国会内で過ごすにはなんの問題もありません。そうして,常時,沖縄問題を念頭に置いて,国民に向けて大いに議論を展開してほしい。それが誠意というものではないか。

 夏限定のかりゆし。これでは,どこかの見本市で戦車に乗って喜んでいたり,わざわざプロの歌手のコンサートに飛び入り歌を披露するのと,どこも違わない。それどころか,もっと質が悪い。親沖縄とみせかけて,基地を押しつけて知らぬ顔。この行為は,こころをこめて説得すると公言した,あの約束がたんなるみせかけにすぎなかったことを実証しているようなものだ。思考を停止してしまったヤマトの人びとはこれで騙せるかもしれない。しかしウチナンチュにとっては,まさに,詐欺にも等しい行為だ。こんなポーズをとりながら,オスプレイも増やすらしい。

 それだけではない。首相の号令一下,なんでも決めることができる,そういう国家にするための予備練習をしているようにもみえる。96条を前倒しして変えてしまえば,そして両院で過半数を占めてしまえば,憲法が憲法ではなくなり,首相の権限はますます増大する。それこそ首相の号令一下,全員「右へならえ」ということになる。政府与党内にも存在する反対派議員はますます軽んじられ,無視されていく。

 いまでさえ,古賀誠元幹事長をはじめとする「96条」改悪に断固反対という議員の存在は,ほとんど無視されている。原発に反対する河野太郎も無視されている。マスコミも,もっと政府自民党の真の姿を告発すべきなのに,なぜか,ほとんどとりあげようともしない。政府自民党だって,けして,一枚岩ではないのだ。そのことをもっと取り上げて,政府の独断・独走に歯止めをかけなくてはならないのに,なぜか,腰が引けている。

 ならば,われわれ国民が声をあげるしかない。このブログもその試みのひとつ。ひとりでも多くのみなさんの賛同が得られれば,そんなに嬉しいことはない。そして,周囲の人にも声をかけていただけたら・・・・,と期待しつつ。

 みせかけの二枚舌,三枚舌にごまかされないように。

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