2013年3月28日木曜日

嘉納治五郎が泣いている。全日本柔道連盟上村春樹会長はいつまで居すわるつもりなのか。

 傷は深まるばかりだ。上村春樹会長が長く居すわれば居すわるほど傷は深くなるばかりだ。このままでは,全日本柔道連盟はますます奈落の底に落ちこんでいく。どうしてこれがわからないのだろうか。ここは,だれがどう考えても,会長みずから責任をとって辞任し,執行部の人心一新をはかる以外に再生の道はない。

 しかし,悲しいかな。一度,権力のおいしい汁を味わってしまった人間は,おしなべて権力の座にしがみつく。それは世の習いではあるが,みっともない。ましてや高邁な理想をかかげる講道館柔道の精神を継承する全日本柔道連盟にあっては,なおさらである。

 嘉納治五郎さんが泣いている。情けない,と。

 ちなみに,上村春樹会長は講道館館長でもある。しかも,嘉納家以外の館長としては「初代」である。言ってみれば期待の☆だった。にもかかわらず・・・・・。

 3月26日に開催された臨時理事会では,結局,だれも責任をとらないまま,現体制維持を確認し,若干の人事案を決めたにすぎない。助成金問題を検証するための第三者委員会の設置,暴力根絶担当に山下泰裕理事,強化委員に山口香さん,など。こんな小手先の人事程度でこの難局をなんとか凌ぎきろうということらしい。

 おまけに,助成金問題については組織ぐるみでプールしていたことの実態も,23日には各紙が一斉に報じていて,ほぼ,その裏までとられているのに(該当の強化委員理事はみずから証言し,辞表を提出),26日の臨時理事会では「組織ぐるみの関与を否定」とある。しかも,記者会見では「事務レベルでやっていたこと」としらを切っている。そして,斎藤仁強化委員長の責任は問われることもなく,続投である。もし,ほんとうに強化委員長がその実態を知らなかったとしたら,そのことの方がむしろ責任重大である。なんのための「委員長」なのか。事務レベルが勝手にやっていた,などという組織そのものがすでに崩壊していることになる。一般の常識からして,事務レベルは上からの指示のないことを勝手にやるはずがない。そんなことはあってはならないし,ありえない。にもかかわらず,しらを切った。

 斎藤仁強化委員長は,自分の管轄下でおきた不祥事件に対し,まずはお詫びして責任をとるのは当たり前のことではないのか。とれをトカゲの尻尾きりで済ませようというのだ。おまけに,辞表をだした強化委員の穴埋めに,山口香さんを投入して,なんとか凌ごうというのだとしたら,あまりにお粗末。

 もっとお粗末なのは,上村会長が,暴力指導問題を検証した第三者委員会の提言を具体化する「改革・改善実行プロジェクト」のトップに就任することが決まった,という話。すでに,23日の段階で,JSC(日本スポーツ振興センター)の幹部が「一般的な行政では,利害関係者が自らの組織をチェックすることはない」と指摘しているというのに。つまり,JSCは事前に駄目だしをしているにもかかわらず,聞く耳をもとうともしない。もはや断末魔の修羅場と化している。

 こうした一連の臨時理事会決定に対して,各県の柔道連盟を代表する評議員のなかから,相当に厳しい声が多くあがったにもかかわらず,上村会長は「真摯に受けとめる」とだけ述べ,あとは握りつぶしたという。厳しい声とは,「トップが出処進退を明らかにすべきだ」(執行部の辞任要求),「地元体育協会でも問題になっている。もはや,柔道だけの問題ではないところにきている」,「子どもに柔道をさせられないという保護者の声がとどいている」,「柔道が好きな人間としていいかげんにしてくれという切実な思いだ」,等々。

 こうなってくると,やがては理事会と評議員会との対立抗争問題に進展しかねない。一度,そういうところを通過する以外にはないのかもしれない。「自浄能力」をもたない組織・団体は,いずれは自己崩壊する以外にないのだから。

 競技のすそ野を支える各県連の評議員の声に耳を貸さなくなった理事会は,もはや,存続すること自体が犯罪的ですらある。そのことに早く目を覚ますべし,としか言いようがない。

 地下の嘉納治五郎さんが泣いている。柔道も地に堕ちたものだ,と。

 おまけに,東京オリンピック招致も遠のいていく。

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