2013年8月27日火曜日

ドイツの友人から,フクシマの高濃度汚染水漏えい問題に強烈なクレームが。

 わたしたちは国内のメディアに翻弄され,ほぼ間違いなくものの見方や考え方が「操作」されていると言ってよい。なのに,そのことを自覚している人はきわめて少ない。というか,ある程度は承知していてもどうしようもないと諦めている人が多い。ましてや外国のニュースが日本のことについてどのような情報を取り上げ,議論されているか,ということにまでアンテナを張っている人はほとんどいない。

 いまや,インターネット時代を生きているわたしたちは,世界中のニュース・情報を確認しようと思えばいくらでもできる。だから,自分の興味・関心に応じてマニアックな情報収集を楽しんでいる人は相当に多い。しかしながら,たとえば,フクシマの高濃度汚染水漏えい問題が,アメリカやフランスやイギリス,ドイツといった国々でどのように受け止められ,話題となっているのか,ということをチェックする人はよほどの人でないかぎりまずいない。しかし,ものはためしに,世界のネットに流れている「フクシマの高濃度汚染水漏えい」に関する情報を検索してみてほしい。そこには,驚くべき情報が流れていて,びっくり仰天させられる。

 ちょうど,「3・11」直後のわたしたちが,大したことはあるまいとタカをくくっていたのと同じような情況が,いま現出している。つまり,高濃度汚染水が垂れ流しになっていて,困ったものだ,早くなんとかしなくてはなるまい,とわたしも含め多くの日本人が考えているに違いない。しかし,ヨーロッパ諸国の反応は日本とはまったく異なるようだ。

 昨夜遅く,というか今朝早く(27日早朝)にドイツの友人からメールがとどいた。時差が8時間あるので,こちらの深夜はドイツの夕食時間だ。日本語に精通している友人なので,ネットで日本の情報も自在に手に入れている。だから,日本について不審なことがあると,すぐにわたしのところにメールを送ってくる。わたしは,いつも,かれからのメールに触発されて,慌てて,ヨーロッパ諸国の日本に関するニュースの扱い方をチェックする。

 今回のメールの主題は,断るまでもなく,フクシマの高濃度汚染水漏洩についての問題意識の低さ,そして,それに対応する行動が緩慢にすぎる,というものだ。わたしたちふたりの間のメールはお互いに母語で書くことになっている。その方が早いし,お互いに意をつくすことができるから。以下には,ドイツ語が書かれたメールの要点を箇条書き紹介しておくことにする。

 1.日本政府および日本人は,放射性物質が太平洋に流れでていることに対する責任をどのように考えているのか。つまり,太平洋を放射性物質で汚染しているという危機意識が,いちじるしく欠落しているのではないか。

 2.日本政府および日本人は,全世界に向けて「謝罪」をした上で,これこれの計画により放射性物質の太平洋流出を防止することに全力を傾ける,と意思表明をすべきではないのか。その姿勢がなにもつたわってこない。

 3.このまま「垂れ流し」の状態がつづくと,日本は国際社会から信頼を失い,どの国からも相手にされなくなってしまう。そのことをもっと重く考えるべきではないのか。日本の高い技術力からすれば,「垂れ流し」を防ぐことは可能なはずである。

 4.「レベル3」相当という判定をしようとしているようだが,ドイツの専門家たちは,この前の「メルト・ダウン」が起きたときに等しい非常事態だと主張している。なのに,なぜ,日本ではそんな低い判定を想定しているのか。

 5.このような事態が生じているにもかかわらず,なぜ,国民的議論が立ち上がらないのか。ドイツであれば,ただちに,議論のために必要なあらゆる情報が公開されて,新聞・テレビをはじめ,あらゆる手段をつかって国民の民意を明らかにすることに全力を挙げるのだが,なぜ,日本ではそのような動きがみられないのか。

 6.フクシマがこのような状態にあり,問題解決の方策も明らかでないのに,なぜ,原発を再稼働するという発想が生まれてくるのか,ドイツ人には理解不能である。もし,フクシマが現状のままで,原発が再稼働するような事態が起きたとしたら,もはや,わたしたちドイツ人は,基本的な考え方として日本人を信用しなくなるだろう。

 7.このごに及んでもなお,日本はオリンピック招致に全力投球している。いま,全力投球すべきはフクシマの安全確保ではないのか。本末転倒の日本の姿勢がわたしたちドイツ人には理解できない。ここは,いさぎよくオリンピック招致運動を返上し,フクシマの安全確保の姿勢を示すことが,国際社会に対する責務ではないのか。

 8.このあとに,東京電力という会社と日本政府との関係が,まったく理解できない・・・・とうとうの強烈なクレームがつづく。が,もはやスペースがないので,このあたりで割愛。

 このようなメールを読みながら感じたことは,どうやら,フクシマに関する情報は,国内向けと国外向けのものがあるようで,国外向けの情報の方がはるかに上質のものが公開されているように思われることだ。

 ここでも,わたしたちは,フクシマの高濃度汚染水に関する情報が完全に権力によってコントロールされているという事実に直面する。もはや,国外経由でないと,フクシマに関する(あるいは,原発に関する)精確な情報を手に入れることは不可能であるらしい。なぜなら,東電と政府とメディアが,あまりに蜜月でありすぎるから。われわれ国民に対しては詭弁と虚言で対応できると甘くみられてしまっているらしい。でも,外国に対しては嘘は言えないので,仕方なしに,最小必要限の情報を,求めに応じて流しているらしい。まことにもって,困った国家に成り果ててしまったものではある。しかし,こんなことがそんなに長くつづくはずもない。どこかで,必ず,大きな反動がやってくる。その日はそんなに遠くはない,とわたしは信じている。でなければ,あまりに情けないし,まありにおかしすぎる。

 さて,ドイツの友人にどのように返信メールを送るか,しんどい仕事が待っている。


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