2013年7月10日水曜日

大相撲が波瀾万丈。今場所は面白い。新しい主役が登場するチャンス。

 白鵬が二日つづけてドタバタ相撲。いつもの白鵬とはどこか違う。稽古不足を指摘する相撲解説者もいるが,それだけだろうか。仕切り直しをしている間に汗びっしょりになるあのからだは,これまでにもその傾向はあったが,今場所はとくにひどい。しかも,制限時間いっぱいになったあとも,その胸・腕のあたりの汗を拭おうともしない。そのまま,最後の仕切りに向かっていく。これも作戦というか,戦略というか,でも,ちょっと奇怪しいと思う。相撲内容は間の詰めが甘い。あれでは上位には通用しない。さて,これからどこまで修正していくか。

 日馬富士が不思議な負け方をした。それも,これまでに見たこともない負け方だった。高安が力をつけてきたことは間違いない。昨日の白鵬をあそこまで苦しませた力量は高く評価していい。2,3年前から,高安は強くなると目星をつけていたので,わたしとしては驚くに値しない。しかし,やや,時間がかかりすぎた。でも,これからでも遅くはない。今場所の台風の目となりそうな一人だ。しかも,将来を見据えても大いに期待できる。その高安に日馬富士が,がっぷり四つに組み合った瞬間のひねり技にからだが浮いてしまい,もろくも膝から崩れ落ちた。負けた日馬富士が一番不本意そうな顔をした。

 でも,これは,すべて日馬富士の責任だ。第一に,昨日の白鵬との一戦を意識しすぎたのか,立ち合いから守りの姿勢がみえた。消極的にすぎる。そして,がっぷり四つに組み合ったので安心したのではないか。もちろん,張手をくらって,一瞬,呆然としていたのかもしれない。しかし,その前に勝負は決していた。なぜなら,立ち合いのあの気魄に満ちた日馬富士の先手の攻撃がひとつもみられなかったからだ。昨日の相撲のように,立ち合い一気に押し込んでいく,そういう気魄の籠もった出足が,今日はまったくなかった。あれでは相撲はとれない。先場所と同じ轍を踏むことになるのだろうか。

 昨日の相撲の良さに自信を深めたのか,それとも横綱相撲を意識しすぎたのか。でも,それはちょっと違う。日馬富士の相撲は立ち合いから先手をとって,とことん攻め込んでいく相撲だ。その立ち合いからの激しい攻めを欠いてしまったら,ただの平幕の相撲になってしまう。明日からは,勝ち負けを度外視した,ほんとうにみごたえのある激しい相撲をみせてほしい。そして,終盤を全勝で飾ってほしい。それが起きると,今場所はまことに面白くなるだろう。

 高安についでの殊勲者は,栃煌山。綱取りに挑む稀勢の里に完勝。その取り口には余裕さえ感じ取られた。ここ3場所は栃煌山が勝ち越している。その自信なのか,あるいは,稀勢の里の苦手意識なのか,終始,土俵を支配していたのは栃煌山だった。稀勢の里は必死に攻めようとするが,なにひとつ通用しない。最後は,栃煌山の余裕の突き落としを食らってしまった。この決まり手は先場所と同じである。こういう苦手をつくってしまっては,稀勢の里の将来に暗雲が漂うことになる。しかも,下位の力士に。

 稀勢の里は初日の立ち合いに課題を残したように,心技体のバランスがどこか狂っている,と見受けた。とりわけ,「心」をどのようにコントロールするか,ここを克服しないかぎり横綱はみえてこない。相撲の型が未完成,というのがわたしが以前から気になっている点だ。立ち合いの攻撃から,いかにして自分得意の型に持ち込むか,という戦略や型がまったくみえてこない。たぶん,稽古場では噂のとおり他を寄せつけない強さをもっているのだろうと思う。しかし,本場所の一番はまったく違う。このハードルをいかにしてクリアするか,そこが問われている。とりわけ,後半戦に入ったときにどのような相撲を展開するか,いまから楽しみにしたい。

 もうひとりの楽しみは,蒼国来。今日,ようやく初日がでた。嬉しいだろうなぁ,と共感して涙してしまった。詳しくは言うまい。よくぞ,ここまで耐えて,本場所の土俵に立ち,初白星。感慨無量のものがあるだろう。インタビューを聞いていて涙してしまった。性格がとてもいい,という印象。かれの裁判を支えた女性ファンたちの気持ちもわかる。ソフトで,爽やかで,男前。三拍子そろっている。それでいて相撲はしぶとい。陰ながら応援したいと思う。

 十両でいえば,大砂嵐と青狼が,今日はいい相撲をとった。この二人,異色の力士ではあるが,そして,まだ粗削りではあるが,みていて面白い。つまり,味がある。これからどのように伸びてくるのか,楽しみ。

 部屋の給排水管の取り替え工事に立ち合いながら,久し振りにたっぷりと相撲を楽しむことができた。明日は,しばらく行っていない事務所で仕事の予定。こちらにも仕事がたまっている。でもまあ,元気がなにより。

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