2013年7月22日月曜日

山本太郎さん,おめでとう。今回の選挙での唯一の朗報。

 いかなる既得権益からも無縁の,まったき一匹狼で初志を貫いた山本太郎さん,おめでとう。こころから言祝ぎたいとおもいます。これからも初心を忘れず,どこまでも反原発・反被曝を訴えつづけてください。あなたの言うとおり,人の命が第一です。

 ばんざいはしない,茨の道へのスタート点に立ったのだから・・・・という心意気やよし。勝ってかぶとの緒を締める,といいます。当選すればそれですべての目的が達成されたと勘違いする政治家がおおいなかで,この発言はひときわ異彩を放っています。どこまでも政界の「悪」と真っ正面から向き合い,政界浄化のために愚直に,そして,どこまでも純なこころで闘ってください。わたしは東京都民ではありませんが,となりの県から応援しています。

 かつて,評論家の田原総一郎氏が,山本太郎さんに向って,お前に原発を語る資格などない,と叱りつけたことがあります。一夜漬けの勉強くらいで偉そうなことを言うな,ということだったのでしょうが,わたしはこの映像をみていて,まことに不快でした。なんと上から目線で,と。いつからそんなに偉くなったのか,と。いつ,いかなる事情があろうとも,人間はあるとき,ある瞬間に目覚めることがあります。そして,そのことのために全身全霊を傾けて,命懸けで取組みはじめることがあります。王族の御曹司で,妻も子どもいて,なに不自由なく暮らしていたお釈迦さんの突然の「出家」がそうでした。「気づいたとき」が吉日。山本太郎さんは,これは変だ,と気づいたのです。

 以後,山本太郎さんは,この「変だ」を信じて一本道。俳優活動もままならなくなり(四面楚歌),とうとう所属事務所からもみずから身を引いて,反原発,反被曝への道をまっしぐら。その誠意と努力がようやく報われました。そして,多くのボランティアにも支えられ(全国から若者たちがやってきた,と聞く),ネットワークも広がったことでしょう。これからも,せっせと全国行脚をして,直接,みずからの主張を広げてください。そして,その上で,さらにネットを活用して,反原発,反被曝の主張を展開してください。この序例を間違えないように。つまり,直接,街頭に立って演説をぶつこと,その上で,ネットです。

 あなたのような志しをもつ同志が,ひとりからふたりへ,そして,さんにんへ,と少しずつ輪を広げることにも力をつくしてください。いま,必要なのは,純粋無垢の,つまりは,既得権益とは無縁の,まっさらな政治理念と理想をかかげる若い政治家の出現す。そういう人たちが現れないと,日本の政治は半永久的に既得権益のしがらみから抜け出すことはできません。つまり,「命」よりも「経済」が大事という政治です。これが間違っていることは小学生でもわかります。

 今回の自民党の「圧勝」は,メディアによってつくられた「虚構」だ,とわたしは考えています。選挙運動がはじまるやいなや,すべてのメディアが「自民党圧勝」を謳いあげました。政治のことにあまり関心をもたない人びとの無意識に働きかけるには,これが一番です。無意識を操作する。まことに卑劣な方法です。しかし,いつも,いつも,こういう報道がくり返されてしまいますと,それが当たり前のことになってしまいます。みんな慣れてしまうのです。そこに大きな落とし穴があるということさえ気づかなくなってしまいます。そして,予想どおり圧勝しました。しかし,これはどう考えてみても「虚構」にすぎません。

 たとえば,原発再稼働に関するアンケート調査では,過半数の国民が反対と答えているのに,結果は,再稼働推進派の自民党圧勝です。つまり,意識すれば「反対」なのに,無意識では「賛成」にすり替えられてしまう,という次第です。選挙というものはこういうものなのでしょうが,どう考えてみても民意が精確に反映しているとは考えられません。投票率もほぼ50%。自民党の得票率も,そのうちの半分強。つまり,有権者の約四分の一強の支持による自民圧勝です。

 もちろん,選挙に行かず,棄権した人が悪いのです。棄権をするということは現政権を承認することと同じ(山口二郎)です。しかし,棄権した人の多くは,反自民だけれども,ほかに受け皿となる政党がないから,行かなかったという人ではないかとわたしは推測しています。でも,それは反自民の意志表明にはなりません。最善の政党も候補者もみつからない場合には「次善の策」を講ずるしかありません。そして,少なくとも,自分の意に反する政党が独走しないように歯止めをかける必要があります。しかし,「棄権」はその「独走」を承認するのみならず,後押しをすることと同じになってしまいます。

 それにしても,今回の選挙は,まことにお粗末。ほんとうの「争点」をどの政党もぼやかしたまま,都合のいい,まことしやかな売り言葉,つまりは「虚言」「詭弁」ばかりでした。その点,その「虚言」「詭弁」をもっとも上手に,厚顔無恥にも使い切った安倍晋三君が勝利したのです。嘘つきの名人でした。

 その点,真っ向勝負の「直球」一本で,最後まで投げきった山本太郎さんは偉い。嘘つきや詭弁は許してはいけません。愚直なまでに,誠実に,ほんとうの気持ちを,有権者のみなさんに投げかけた山本太郎さんの声が,東京都民のみなさんのこころを打ったのだとおもいます。

 今回の参院選の唯一の収穫,朗報でした。
 山本太郎さん,茨の道にも負けず,全力で突き進んでください。
 いつまでもエールを送りたいとおもいます。
 これからも,金曜日の官邸前に,顔をみせてください。
 公務がないかぎり,愚直に,顔をみせてください。
 あの笑顔を押し殺した山本太郎は,政治家の顔になってきた,とわたしの友人は語っています。
 官邸前の集会で会いましょう。

1 件のコメント:

柴田晴廣 さんのコメント...

 自由を制限する憲法改正草案を掲げているにもかかわらず、党名に自由を掲げ、天応という君主を元首とすると同草案に掲げているのに民主を党名に掲げる政党は、正に看板に偽りありです。
 実体「金王朝」の国が「民主主義人民共和国」を名乗っているのと、そっくりですね。
 目指す方向も似ているんでしょうね。
 不正競争防止法2条1項13号は、「商品若しくは役務若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若しくは数量若しくはその役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような表示をし、又はその表示をした商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供し、若しくはその表示をして役務を提供する行為」を不正競争行為(虚偽表示)と規定しますが、商品等の虚偽表示が消費者を欺くと同様、政党名とその実体に乖離がある場合も有権者を欺いているわけですから、何らかの法律で規制して欲しいものです。
 となると、今回大勝した政党は、不自由君主主義等とでも名乗るべきですね。